チリ急進党

チリ急進党（Partido Radical de Chile）は、チリの中道左派に位置する政党です。その起源は1863年に遡り、チリで最も歴史のある政党の一つとして知られています。1994年には、急進党（Partido Radical, PR）とチリ社会民主党（Partido Socialdemócrata de Chile, PSd）が合併して現在の形となりました。

急進党は、過去に4人の大統領を輩出するなど、チリ政治において重要な役割を果たしてきました。1930年代には、社会党や共産党とともに人民戦線を結成し、政権を獲得したこともあります。しかし、1948年にはアメリカ合衆国の圧力により、共闘していた共産党を非合法化するという決断を迫られました。

その後、キリスト教民主党や社会党、共産党などの勢力拡大の中で、急進党の党勢は徐々に縮小していきました。特に、サルバドール・アジェンデ政権下では、アジェンデ支持派と反対派に分裂し、得票数を大きく減らす結果となりました。

17年間の軍政時代を経て民政復帰後も、急進党への支持はかつてのようには回復せず、社会民主党と合併した後も、得票率は5%以下の小党に留まっています。しかし、中道左派の政党連合には一貫して所属し、1990年から2010年までは「コンセルタシオン・デモクラシア」（民主主義のための政党盟約）の一員として与党の座を維持しました。2021年には「民主社会主義」を結成し、現在も中道左派勢力の一翼を担っています。国際的には、社会主義インターナショナルに加盟しています。

関連事項

コンセルタシオン・デモクラシア: 1989年の民政復帰後、チリで与党の座を維持していた中道左派の政党連合。2010年の大統領選挙で中道右派連合に敗れ、野党に転じました。
新多数派: コンセルタシオン・デモクラシアを改組して2013年に結成された中道左派政党連合。同年の大統領選・議会選で勝利し、再び与党に復帰しました。

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