コンセルタシオン・デモクラシア

コンセルタシオン・デモクラシア：チリの中道左派政党連合

コンセルタシオン・デモクラシア（Concertación de Partidos por la Democracia）、通称コンセルタシオンは、かつてチリに存在した中道から中道左派の政党連合です。正式名称は「民主主義のための政党盟約（コンセルタシオン）」です。アウグスト・ピノチェト将軍による軍事独裁政権が終焉を迎えた1989年から2010年まで、チリの政権を担い続けました。2013年には、新多数派（Nueva Mayoría）へと改組されました。

沿革

コンセルタシオンは、1988年10月に行われた国民投票を背景に誕生しました。この国民投票は、軍事政権の延長の是非を問うものであり、これに対し、キリスト教民主党やチリ社会党、「民主主義のための政党」など16の政党が結束し、「ノーをめざす運動本部」（Concertacion por el No）を1988年2月に結成しました。この運動本部が母体となり、1989年7月6日にコンセルタシオンが正式に結成されました。

1989年12月の大統領選挙では、キリスト教民主党のパトリシオ・エイルウィンを統一候補として擁立し、軍政支持派を破り勝利しました。その後も、1993年のエドゥアルド・フレイ（キリスト教民主党）、1999年のリカルド・ラゴス（チリ社会党・民主主義のための党）、2005年のミシェル・バチェレ（チリ社会党）と、4回の大統領選挙で勝利を重ねました。しかし、2009年の大統領選挙では、中道右派の政党連合「変革のための同盟」が推すセバスティアン・ピニェラが勝利し、コンセルタシオンは下野することとなりました。

野党に転落後、「民主主義のための政党」から、コンセルタシオンの枠外の政党（地方独立党 PRI、チリ共産党 PC、進歩党 PRO）との協力を進めるべきとの意見が出ました。左傾化を懸念するキリスト教民主党がこれに反対する動きもありましたが、最終的には2013年4月、チリ共産党、市民左派 IC、拡大社会運動 MASなどを加え、「新多数派」へと改組されることとなりました。

構成政党

コンセルタシオンは、以下の政党によって構成されていました。

キリスト教民主党 (PDC)
チリ社会党 (PS)
民主主義のための政党 (PPD)
急進社会民主党 (PRSD)

コンセルタシオンは、チリの民主化移行期から2010年までの間、チリ政治において中心的な役割を果たした政党連合でした。

参考文献

チリ年表 人民連合圧殺の時代: 1973年9月のクーデター直後から1988年10月の国民投票、1989年12月の大統領選挙までの政治的出来事が紹介されています。

関連項目

チリ・クーデター
* チリ大統領の一覧

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