ツール・ド・フランス1950

1950年のツール・ド・フランスは、第37回目の開催となる自転車ロードレース大会でした。7月13日から8月7日まで、全22ステージにわたり熱戦が繰り広げられました。

レース概要

今大会は、数々のドラマとアクシデントが発生しました。特に注目されたのは、第11ステージ（ポーからサン・ゴダンまで）での出来事です。フランスチームのジャン・ロビックが、イタリアチームのエース、ジーノ・バルタリに転倒させられるというアクシデントが発生しました。この影響で、ロビックはバルタリに3分59秒遅れてゴールし、大きなタイムロスを被りました。また、このステージの結果、マイヨ・ジョーヌ（個人総合時間賞の首位選手が着用する黄色いジャージ）は、イタリアのフィオレンツォ・マーニへと移動しました。

しかし、翌日の第12ステージ開始前、観客からイタリアチームに対する激しい怒号と非難が浴びせられる事態となりました。前日のロビックの転倒事件に加え、イタリア人選手であるマーニが総合首位に立ったことに対する反発が原因でした。これを受け、イタリアチームの監督アルフレッド・ビンダは、同ステージの途中でイタリアチーム全員をリタイアさせるという決断を下しました。これにより、レースは予想外の展開を迎えることになります。

イタリアチームのリタイア後、第11ステージ終了時点で首位のマーニに対し2分31秒差で2位につけていたスイスのフェルディナント・キュプラーが、第12ステージ終了時点で総合首位に躍り出ました。キュプラーは、アルプス越えの山岳ステージで安定した走りを見せ、着実にリードを広げていきました。そして、第20ステージの個人タイムトライアルでは、ベルギーの強豪スタン・オッカーを突き放し、スイス国籍の選手として初のツール・ド・フランス総合優勝を成し遂げました。

一方、ロビックは、キュプラーに59分45秒遅れて12位で完走という結果となりました。

総合成績

1位：フェルディナント・キュプラー（スイス）
2位：スタン・オッカー（ベルギー）
3位：ルイゾン・ボベ（フランス）

マイヨ・ジョーヌ保持者

第1-10ステージ：ジーノ・バルタリ（イタリア）
第11ステージ：フィオレンツォ・マーニ（イタリア）
第12-22ステージ：フェルディナント・キュプラー（スイス）

各部門賞結果

詳細な情報は割愛します。

外部リンク

第37回ツール・ド・フランス1950（フランス語）
第11ステージの模様（フランス語）

今大会は、アクシデントやチームの撤退など、様々な出来事が重なり、記憶に残る大会となりました。キュプラーの勝利は、スイスの自転車競技史に新たな1ページを刻む出来事として、語り継がれています。

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