ティトゥス・ブランズマ

ティトゥス・ブランズマ（1881年2月23日 - 1942年7月26日）は、オランダのカルメル会司祭、殉教者、カトリック教会の聖人、ジャーナリスト、そしてホロコーストの犠牲者です。

生涯

フリースラント地方で、カトリック信者の家庭に生まれたティトゥスは、幼い頃から司祭を志しました。1898年、17歳で履足カルメル会に入会し、1905年に司祭に叙階されました。修道生活を送る中で、彼は改革者であり、跣足カルメル会創立者であるアビラのテレサの著作に深く傾倒し、研究に没頭しました。

1909年、ローマのグレゴリアン大学で哲学博士号を取得し、帰国後は教鞭をとる傍ら、1923年にはナイメーヘン・カトリック大学の創立に尽力しました。また、ジャーナリストとしての才能を発揮し、多岐にわたる分野で活躍しました。

司祭としての職務も忘れず、神学生の養成や霊的指導にもあたりました。台頭してきたナチスに対しては、その非人道的な思想を強く批判し、抵抗の姿勢を貫きました。

1942年1月、彼はナチスによって反逆罪で逮捕され、各地の収容所を転々とすることになります。収容所での過酷な状況下でも、ブランズマは信仰を失わず、テレサの伝記や黙想書、詩などを執筆しましたが、その多くは未完に終わりました。同年7月26日、彼はダッハウ強制収容所で処刑されました。

彼の勇気と信仰は、多くの人々に感銘を与え、彼は殉教者として1985年11月3日にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世によって列福されました。そして2022年5月15日、ローマ教皇フランシスコによって列聖されました。

ティトゥス・ブランズマは、困難な時代においても、自らの信念を貫き、愛と正義のために戦い抜いた人物として、今もなお多くの人々に敬愛されています。


関連人物:
エーディト・シュタイン
マキシミリアノ・コルベ

参考文献:
* 『ケリトの水にうるおされて カルメルの聖人たちの祈り』2011年1月号-2011年10月号 ベニー・ヒッキー編集 泰阜カルメル会訳・編　（『カルメル霊性センターニュース』内で連載） 跣足カルメル会 上野毛修道院 霊性センター事務局

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