テイサム・ヒル

テイサム・ヒル：規格外のユーティリティプレイヤー

テイサム・ショーン・ヒル（Taysom Shawn Hill、1990年8月23日生まれ）は、アメリカンフットボール選手。NFLのニューオーリンズ・セインツに所属し、クォーターバック（QB）として登録されていますが、そのプレイスタイルは非常にユニークです。彼はQBに留まらず、タイトエンド（TE）、ワイドレシーバー（WR）、ランニングバック、スペシャルチームなど、多岐にわたるポジションで活躍するユーティリティプレイヤーとして知られています。

多彩なポジションをこなす適応力

Hill選手は、その適応力の高さから「人間スイスアーミーナイフ」とも呼ばれています。2022年シーズンにはTEにコンバートされましたが、QBとしても起用され、2023年には再びQB登録となりました。彼は、オフェンスだけでなく、スペシャルチームでもガンナーやパントリターナーとして活躍します。このような多様な役割をこなせる選手はNFLでも稀であり、彼の存在はチームにとって非常に貴重です。

高校・大学時代の活躍

アイダホ州ポカテッロで生まれ育ったヒルは、ハイランド高校でフットボール、バスケットボール、陸上競技で才能を発揮しました。高校4年生の時には、パスで2,269ヤード、18タッチダウン、ランで1,491ヤード、24タッチダウンを記録し、州の最優秀選手に選ばれました。また、陸上選手としても200m走や走幅跳で好成績を残しています。

大学はブリガムヤング大学（BYU）に進学し、QBとして活躍しました。しかし、度重なる怪我に苦しみ、安定した出場機会を得られませんでした。それでも、彼はその運動能力を活かし、様々なポジションでプレイしました。2017年のNFLスカウティングコンバインでは、QBの中でトップとなる40ヤード走4.44秒を記録し、その身体能力の高さを改めて証明しました。

NFLでのキャリア

2017年のNFLドラフトで指名されなかったヒルは、フリーエージェントとしてグリーンベイ・パッカーズと契約しましたが、すぐにウェイバーとなりました。その後、ニューオーリンズ・セインツと契約し、現在に至ります。

セインツでは、当初は控えQBとしての役割でしたが、徐々にそのユーティリティ性を活かした起用が増えていきました。キックリターナー、パントカバー、ブロッキングタイトエンドなど、様々な役割をこなし、チームに貢献しました。

2020年には、ドリュー・ブリーズの負傷により、初めて先発QBとして起用されました。4試合に出場し、3勝1敗という成績を残し、ブリーズの穴を埋める活躍を見せました。

2022年にはTEにコンバートされましたが、QBとしても起用され、その多才ぶりを発揮しました。特に、第5週のシアトル・シーホークス戦では、3つのラッシングタッチダウンと1つのパスタッチダウンを記録し、NFC週間最優秀攻撃選手に選出されました。

2023年には再びQB登録となり、ユーティリティプレイヤーとしての役割を継続しています。

プレイスタイルの特徴

Hill選手のプレイスタイルの最大の特徴は、その多才さにあります。QBとしてのパス能力に加え、ランニングバックとしてのスピードとパワー、レシーバーとしてのキャッチ能力、そしてスペシャルチームでの貢献など、様々なスキルを兼ね備えています。彼は、チームの状況に応じて、どのような役割でもこなすことができ、相手チームにとっては非常に厄介な存在です。

まとめ

テイサム・ヒルは、NFLでも稀有なユーティリティプレイヤーであり、その多才さと適応力でチームに大きく貢献しています。彼の今後の活躍から目が離せません。

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