テッド・デビアス

テッド・デビアスの歴史とプロレスキャリア

テッド・デビアス（本名：Theodore Marvin DiBiase Sr.）は1954年1月18日にアメリカ・オマハで生まれ、プロレスの世界で確固たる地位を築いた伝説的レスラーです。彼のキャリアは、特に1980年代後半から1990年代初頭にかけてのWWF（現在のWWE）での活躍が高く評価されています。デビアスはその正統派レスリング技術を生かして数多くのタイトルを獲得し、ヒール（悪役）としての存在感を示しました。彼のキャラクター「ザ・ミリオンダラー・マン」は、プロレス界での象徴的なキャラクターとして知られています。

初期の人生とレスリングの道

デビアスはレスリング一家に生まれました。父は元WWA世界ヘビー級王者の「アイアン」マイク・デビアスですが、母の連れ子であるため、血縁関係はありません。15歳の時に父を亡くした彼は、アリゾナ州の祖父母の元で育ちました。ウエスト・テキサス州立大学に進学し、アメリカンフットボールを経験。その後、ザ・ファンクスからの指導を受け、1974年にプロレスラーとしてデビューしました。彼のキャリア初期は、主にセントラル・ステーツ地区やミッドサウス地区での活躍がありました。

WWC時代の台頭

1979年、デビアスはWWFに参戦し、ベビーフェイスとして大きく頭角を現しました。初期の頃は、WWFヘビー級王者ボブ・バックランドの抗争相手に名を連ねるなど、注目の存在でした。この時期に培った技術とリングでのカリスマ性は、彼の後のキャリアに大きな影響を及ぼしました。

ザ・ミリオンダラー・マンとしての転機

1987年、デビアスはヒールキャラクター「ザ・ミリオンダラー・マン」として新たなスタートを切りました。このキャラクターは、莫大な財産を持つ金満家のギミックで、特に嫌味な言動が観客の反感を買いました。彼の設定の一つとして、豪邸を世界の高級リゾート地に持っていることがあり、豪華なライフスタイルを誇示していました。デビアスはこのキャラクターを通じて、スティーブ・オースチンやブレット・ハートなど多くの有名レスラーと抗争を展開しました。

全日本プロレスと再びの成功

デビアスは1980年代、全日本プロレスに頻繁に参戦し、スタン・ハンセンとともに「ビッグ・テキサン・コンビ」として知られる名タッグチームを結成しました。1983年にはUNヘビー級王座を獲得し、ハンセンとのタッグは1987年まで続きました。この時期、彼は日本のファンからも高い評価を受けました。

引退とその後の活動

1996年にWCWに移籍しましたが、首の故障により引退を余儀なくされました。その後、プロレスのリングからは退いたものの、宣教師としての活動や、WWEでのプロデュース業務を務めるなどして、レスリング界に影響を与え続けました。2005年には、彼の息子たちもプロレスラーとしてデビューし、親子三代にわたるプロレスラーの家系を築きました。

デビアスの得意技には「ミリオンダラー・ドリーム」や「パワースラム」などがあり、特に彼のレスリングスタイルは多くのレスラーに影響を与えました。2010年にはWWE殿堂に迎えられ、彼が残した功績を称えられています。

テッド・デビアスはその才能とカリスマ性で、プロレス界における重要な存在であり、今なお多くのファンに支持されています。

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