テルメズ

テルメズの魅力と歴史

テルメズはウズベキスタン共和国のスルハンダリヤ州に位置する都市であり、その名はギリシア語の「thermos」から由来し「暑い所」という意味を持っています。この都市は、アムダリヤ川を挟んでアフガニスタン・イスラム共和国と接しており、歴史的に多くの文化的な交流が行われてきました。テルメズは、ウズベキスタンで最も暑い地域としても知られています。

歴史

テルメズの歴史は非常に古く、バクトリア時代から人々が定住していたことが確認されています。クシャーナ朝時代には仏教が盛んで、多くの仏教遺跡が残っています。また、7世紀以降のアラブの進出により、イスラム教が広まりました。13世紀にはモンゴルの侵攻を受け、その後、新市街が旧市街の北に建設されました。

特に、ティムールの師であるSaid Barakaがこの都市出身であり、彼の影響力のもとでテルメズは繁栄を迎えました。17世紀には再び破壊されましたが、1897年にはロシア帝国の要塞が築かれ、その後の歴史において重要な舞台となりました。アフガニスタン紛争中は、ソビエト連邦軍が駐留し、地域の軍事的な重要性が増しました。

気候

テルメズはケッペンの気候区分では砂漠気候に分類され、夏の日中は40度を超えることもあります。降水量も年間156mm程度と少なく、乾燥した気候が特徴です。こうした気候条件から、テルメズはカルチャーや人々のライフスタイルに強い影響を与えてきました。

交通

テルメズには、アムダリヤ川が流れており、中央アジアでは唯一の河川港が存在します。市の周辺にはアフガニスタンとの国境を越える友好橋が架かっており、地域の交通網の重要性を高めています。また、テルメズ空港があり、ウズベキスタンの首都タシュケントへの定期便も運航されています。

観光名所

テルメズには多くの文化遺産が点在しており、特に以下の観光名所が注目されます：

• - キルク・キズ (9-14世紀)
• - テルメズ・ハン国宮殿 (11-12世紀)
• - アル＝ハキーム・アッ＝テルミズィー・モスク (10-15世紀)
• - スルターン・サアーダ・モスク (10-18世紀)
• - コキルドラ＝ハーナカの霊廟 (16世紀)
• - カラ・テペ遺跡の仏教寺院 (2-4世紀)
• - ファヤズ・テペ遺跡の仏教寺院 (1-3世紀)
• - ズールマラ塔 (1-2世紀)

また、伝説的な学者ティルミズィーの廟もテルメズ近くに位置しています。彼は9世紀頃の人物で、イスラム伝承学の分野で重要な影響を持つ学者でした。

戦争と戦後の状況

第二次世界大戦後、ソビエト連邦軍は長期にわたりテルメズに基地を置きました。1978年から1989年までのアフガニスタン紛争では、この都市が戦略的な拠点とされました。今日においても、かつての空軍基地は国際的な治安支援部隊の拠点となっており、地域の安全保障に貢献しています。

このようにテルメズは、自然環境や歴史的背景を含め、非常に多様な文化と独自の魅力を持つ都市です。観光や歴史探訪には最適な場所と言えるでしょう。

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