テーサバーン

テーサバーン（เทศบาล）とは

テーサバーンはタイに存在する自治体であり、自治権を有する地域を指します。日本語で訳すと「自治市町」となることもありますが、一般的には「市」と表記されることが多いです。テーサバーンの制度は、地方自治を促進し、地域住民が自らの行政を行えるようにすることを目的としています。

概要

タイにおける地方自治は主に内務省の出先機関である県行政体によって運営されています。しかし、指定された地区がテーサバーンに認定されることにより、内務省から一定の独立性を持った行政が可能となります。テーサバーン制度の元となる法律は、仏暦2476年に制定されたテーサバーン法ですが、その後廃止され、1953年に施行された新しい法律が現在の根拠となっています。

また、1999年に公布された改編法により、全国に存在したスカーピバーン（地方自治体）がテーサバーンに統合され、テーサバーンの数は急増しました。2020年時点では2400以上のテーサバーンが存在しています。特にバンコクやパッタヤー市は独自の行政体系を持っていますが、テーサバーンとは異なる法律に基づいています。

種類

テーサバーンは居住人口に基づいて大きく3つに分類されます。これらは、郡（アムプー）、分郡（キンアムプー）、および県庁所在地（アムプームアン）のいずれかに位置する地区から構成されます。テーサバーンの設立には、町や村の境界線は無関係であり、人口密度が特定の基準を超えた場合にのみ成立が審議されます。

自治形態

テーサバーン議会

各テーサバーンには住民によって選出された議員による議会があり、テーサバーン議会は地方の条例を制定する権限を持っています。

テーサバーン長

テーサバーンの管理者であるテーサバーン長はテーサバーン議会によって任命され、住民の投票によって選出されることはありません。

テーサバーン委員会

テーサバーン長を支援するために、テーサバーン委員会が存在します。この委員会には常任委員会と特別委員会があり、常任委員会は議員によって構成され、毎年の最初の会議で選出されます。一方、特別委員会は特定の任務のために設置され、必要がなくなれば解散します。

似た組織

人口密度が低い地域にはタムボン自治体という組織があります。1956年に設立された当初はタムボン評議会と呼ばれ、1994年に法人格が与えられ、現在に至ります。

結論

テーサバーンはタイの地方行政の中核をなす重要な制度であり、地域住民の自治を促進します。この制度により、地域の特性やニーズに応じた柔軟な政策決定が可能となり、住民の声が反映される仕組みが構築されています。

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