ディケーター (ミサイル駆逐艦)

USSディケーター(DDG-73)について

USSディケーター(DDG-73)は、アメリカ海軍のアーレイ・バーク級[[ミサイル駆逐艦]]の23番艦です。その艦名は、アメリカ海軍の英雄であるスティーヴン・ディケーター代将に由来し、彼の名を冠する艦としては5隻目にあたります。ディケーターは、ミサイル防衛能力を強化するために、弾道ミサイルの迎撃能力を向上させたイージスBMD3.6システムを搭載しています。

艦歴

ディケーターは1996年1月11日にメイン州バスのバス鉄工所で起工され、同年11月9日にジョン・シャリカシュヴィリ統合参謀本部議長の妻であるジョウン・E・シャリカシュヴィリ夫人によって命名、進水しました。そして、1998年6月19日にマイク・ノールマン艦長の指揮下で就役しました。

就役後、ディケーターは整調航海と西海岸への移動の間に、プエルトリコのサンファンやメキシコのプエルト・バジャルタなどの港を訪問しました。1998年 8月29日には、オレゴン州ポートランドのトム・マッコール・ウォーターフロントパークで記念式典が開催され、9月4日には母港であるサンディエゴに到着しました。同年の残りの期間は、音響試験や戦闘システムの評価に費やされました。その後、3ヶ月間をかけて整調試験後の有効性確認が行われました。

1999年4月には、北西部への短い航海を行い、ワシントン州のディケーター島やブリティッシュコロンビア州のバンクーバーを訪問し、5月初めにサンディエゴに帰港しました。8月には再びワシントン州を訪れた後、ディケーターは機関室で火災を起こした自動車運搬船MVガーデニア・エースに、被害対策チームを派遣しました。

ミサイル試験と最終公試を終えたディケーターは、2000年1月7日に最初の西太平洋配備に出発しました。トマホークミサイルを搭載するために真珠湾に寄港した後、1月後半には韓国海軍との合同演習「シャーレム2000」に参加するため黄海に向かいました。30日には韓国の鎮海を訪問し、その後2週間は横須賀や長崎に停泊しました。その後、台湾海峡を通過して南下し、香港で3日間停泊した後、フィリピン海軍と南シナ海で合同演習を行いました。

3月前半には、マレーシアとグアムを訪問し、その後赤道を横断して4月にはフィジーを訪問しました。アメリカ領サモアへの訪問後には、オーストラリアの多数の港を訪問し、6月8日に母港のサンディエゴに帰港しました。

航海後の調整と修理の後、ディケーターはサンディエゴ海域での活動に従事しました。2001年2月には、西海岸沖で様々な戦闘グループと共にミサイル演習を行いました。9月11日のアメリカ同時多発テロ事件後、ディケーターは南部カリフォルニア水域で「オペレーション・ノーブル・イーグル」に参加しました。9月23日にサンディエゴに帰港し、7週間の修理調整後、11月12日にジョン・C・ステニス戦闘グループに合流しました。

ディケーターは西へ向けて出航し、香港とシンガポールに停泊した後、12月11日にマラッカ海峡を通過しました。インド洋に向けて航海を続け、戦闘グループは「オペレーション・エンデューリング・フリーダム」に参加し、アフガニスタンでの作戦を支援しました。2001年12月17日から2002年4月16日までの間、ディケーターはペリリュー揚陸即応グループの護衛を行いました。この間、艦のセキュリティ・チームは3隻の民間船に派遣されました。また、この作戦期間中にディケーターはバーレーンのマナーマに3度の短期訪問を行いました。5月2日に中東を離れ帰途に就き、途中タイのプーケット、インドネシアのバリ島、東ティモールのディリ、グアムのアプラ、真珠湾に寄港し、2002年6月8日にサンディエゴに到着しました。同年の残りの期間は、サンディエゴ水域での調整と訓練に費やされました。

ディケーターは2003年8月にペルシャ湾への2度目の配備に出航し、途中真珠湾とシンガポールに寄港しました。11月にはセーシェルへの4日間の港訪問を行いました。2003年12月15日、ディケーターは40フィートのダウ船を拿捕し、アルカーイダの密輸活動に関連したおよそ2トンの麻薬を発見しました。末端価格で800万から1,000万ドルの価値があったとされています。

2007年6月22日には、太平洋ミサイル試射場において、駆逐艦としては初めてSM-3ミサイルを使用する対弾道ミサイル迎撃試験を実施し、大気圏外で標的弾道ミサイルの撃破に成功しました。

2008年2月には、落下の危険がある偵察衛星USA-193（NROL-21）を破壊する作戦に参加し、SM-3ミサイルの発射を担当した巡洋艦レイク・エリーのバックアップを務めました。

2013年4月には、北朝鮮ミサイル警戒により朝鮮半島沖に配備されました。

2018年9月30日には、南シナ海の南沙諸島での公海航行自由原則維持のための作戦（個別作戦名「航行の自由作戦」）に参加しました。作戦の一環としてジョンソン礁付近を通過中、中国人民解放軍の旅洋型駆逐艦に41メートルの距離にまで接近されました。

ディケーターは、その長い艦歴の中で、数々の重要な作戦に参加し、アメリカ海軍の重要な戦力として貢献してきました。

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