ディスプレイ解像度

ディスプレイ解像度とは

ディスプレイ解像度とは、デジタルテレビ、コンピューターモニター、その他のディスプレイデバイスにおいて、表示できる個々のピクセル数のことです。これは、表示される画像の詳細さを決定する重要な要素であり、幅（width）と高さ（height）のピクセル数で表されます。例えば、「1920×1080」という解像度は、幅が1920ピクセル、高さが1080ピクセルであることを示しています。

ディスプレイ解像度の定義と基本

ディスプレイ解像度は、主に固定ピクセルアレイを持つデバイス（液晶ディスプレイ（LCD）、プラズマディスプレイパネル（PDP）、有機ELディスプレイ（OLED）など）に適用されます。これらのデバイスでは、物理的なピクセルの数が解像度を決定します。しかし、電話、タブレット、モニター、テレビなどでは、解像度という用語がピクセル寸法、つまり各寸法の最大ピクセル数を指すことが一般的ですが、これは厳密にはピクセル密度とは異なります。ピクセル密度は、単位面積あたりのピクセル数を示し、ppi（pixels per inch）で測定されます。

技術的背景

固定ピクセルディスプレイでは、入力された映像信号をディスプレイの解像度に合わせるために、スケーリングエンジンが必要になります。これにより、さまざまな解像度の映像を適切に表示できます。また、ディスプレイの解像度に対する目の知覚は、画面のアスペクト比（画面の幅と高さの比率）やピクセルの形状など、複数の要因に影響されます。例えば、16:9ディスプレイの1280×720ピクセルの配列は正方形のピクセルを持つ一方、16:9ディスプレイの1024×768ピクセルの配列は長方形のピクセルを持つ場合があります。

解像度とシャープネス

より高い解像度を使用すると、より小さな領域に多くの情報を表示できるため、画像が鮮明になります。しかし、最新の画面技術は特定の解像度に合わせて最適化されています。このため、ディスプレイのネイティブ解像度よりも低い解像度で表示すると、補間プロセスが使用され、シャープネスが低下する可能性があります。一方、ブラウン管（CRT）ディスプレイでは、解像度はスポットサイズ、フォーカス、カラー蛍光体ピッチなど、さまざまな要因によって影響を受けます。

オーバースキャンとアンダースキャン

ほとんどのテレビディスプレイでは、画面の端が見切れないように画像を「オーバースキャン」しています。これにより、有効な表示領域がわずかに小さくなることがあります。一方、コンピューターディスプレイは一般的にオーバースキャンを行いません。また、CRTディスプレイでは、画面の歪みを補正するためにアンダースキャンされることがあります。

インターレーススキャンとプログレッシブスキャン

インターレーススキャンは、奇数ラインと偶数ラインを交互に表示することで、知覚フレームレートを上げる手法です。これにより、動きの知覚が向上し、フリッカーが軽減されますが、完全なフレーム情報が失われることがあります。一方、プログレッシブスキャンは、各フレームのすべてのラインを順番に表示する方法であり、より鮮明な画像を提供します。現代のビデオ圧縮規格は、プログレッシブスキャンに最適化されていますが、インターレースビデオもサポートしています。

テレビの解像度規格

テレビの解像度規格には、標準画質（SDTV）、クリアビジョン（EDTV）、高解像度（HDTV）、超高精細（UHDTV）などがあります。これらの規格は、使用される走査方式（インターレースまたはプログレッシブ）とピクセル数によって定義されています。

標準画質テレビ（SDTV）

480i（NTSC互換）
576i（PAL互換）

クリアビジョンテレビ（EDTV）

480p（720×480プログレッシブスキャン）
576p（720×576プログレッシブスキャン）

高解像度テレビ（HDTV）

720p（1280×720プログレッシブスキャン）
1080i（1920×1080を540行の2つのインターレースフィールドに分割）
1080p（1920×1080プログレッシブスキャン）

超高精細テレビ（UHDTV）

2160p（3840×2160プログレッシブスキャン）
4320p（7680×4320プログレッシブスキャン）

コンピューターモニターの解像度

コンピューターモニターは、伝統的にテレビよりも高い解像度を持っていました。初期のコンピューターでは、テレビをディスプレイとして使用していましたが、解像度はテレビの規格に依存していました。その後、技術の進歩に伴い、より高い解像度が一般的になり、現在では、1920×1080、2560×1440、3840×2160などの高解像度モニターが普及しています。また、CADユーザーやグラフィックアーティストなどのプロフェッショナルは、1600×1200以上の解像度を使用することがあります。

ディスプレイ解像度の歴史

1970年代後半から1980年代には、パーソナルコンピューターがテレビをディスプレイとして使用していました。当時の解像度は、160×200、320×200、640×200などが一般的でした。その後、カラーグラフィックスカードが登場し、より高い解像度が表示可能になりました。1990年代には640×480が標準となり、その後800×600、1024×768へと進化しました。2000年代には、液晶モニターの普及とともに、1280×1024などの解像度が一般的になりました。そして、現在では、1920×1080、2560×1440など高解像度のモニターが主流となっています。

映画産業における解像度

デジタルシネマトグラフィでは、解像度はフィルムのアスペクト比と実際のポイント数に依存します。「nK」という表現で品質を表現することが一般的で、例えば2Kは2048×1536ピクセル、4Kは4096×3072ピクセルが代表的です。映画制作では、2048×1556、2048×1152、2048×872などの様々な解像度が使用されます。

まとめ

ディスプレイ解像度は、デジタルデバイスの画面に表示されるピクセル数を表す重要な要素です。解像度を理解することで、デジタル画像の品質や画面の表示能力をより深く理解することができます。この記事では、ディスプレイ解像度の定義、技術的背景、歴史、関連規格について詳しく解説しました。これらの情報を活用することで、ディスプレイ解像度に関する知識をより深めていただければ幸いです。

関連項目

グラフィックディスプレイの解像度
ディスプレイのアスペクト比
画面サイズ
ウルトラワイド・フォーマット
ppi
解像度の独立性
映像のコンバート
画面アスペクト比
画面解像度

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