576p

576pとは

576pは、ビデオディスプレイの解像度を表す略称で、'p'はプログレッシブスキャン方式であることを示します。プログレッシブスキャンは、画像を構成するすべての水平ラインを一度に表示する方式で、インターレーススキャン方式のように奇数ラインと偶数ラインを交互に表示するのではなく、スムーズな映像を再現します。576は垂直解像度が576ピクセルであることを意味し、水平解像度はアスペクト比によって異なり、一般的には768ピクセルまたは1024ピクセルとなります。

解像度

576pの水平解像度は、アスペクト比によって以下の通り異なります。

16:9の場合: 1024 x 576 ピクセル
4:3の場合: 768 x 576 ピクセル
3:2の場合: 864 x 576 ピクセル

576pの歴史と用途

576pは、VHSからデジタルに移行する際の標準画質として採用されました。これは、主にPAL（Phase Alternating Line）方式のビデオで標準的な解像度と見なされています。フレームレートは、通常は1秒あたりのフレーム数で表され、576p25または576p50のように指定されます。これは、主にヨーロッパやオーストラリアなどで使用されていました。

576p25

576p25は、1秒あたり25フレームを表示する方式で、576iと同じ帯域幅を使用し、同等のピクセルデータを伝送します。そのため、576p25は標準解像度と見なされており、アナログPALやSECAMシステムで使用できます。また、デジタルテレビの主要な形式であるATSCやDVB、そしてDVDなどでも利用できます。PALplus規格では、映画モードの信号旗を通じてサポートされています。

576p50

576p50は、1秒あたり50フレームを表示し、576p25の2倍の時間解像度を持ちます。このため、拡張解像度テレビ（EDTV）と見なされます。オーストラリアなど一部の国では、高解像度とされていた時期もありましたが、最終的には720pに置き換えられました。

ブロードキャストにおいて、フレームを倍にする機能がないディスプレイデバイス向けに、576p50は放送側でフレームを2倍にする処理が行われることがあります。ワイドスクリーン16:9のコンテンツでは、1024ピクセル幅ではなく、720ピクセル幅に縮小されて表示されます。SMPTE 344M規格では、576p50は、BT.601の2倍のデータレートで、704x576のアクティブピクセルと16の水平ブランキングピクセルを持つと定義されています。

関連規格

インターレーススキャン: 576iは、インターレーススキャン方式の解像度で、プログレッシブスキャン方式の576pとは異なり、奇数ラインと偶数ラインを交互に表示します。PALやSECAMの映像で使用されます。
高解像度: 576pは、当初高解像度と見なされたこともありましたが、より高解像度の720pや1080i、1080pなどが登場し、現在は標準解像度の範疇とされています。

関連項目

一般的な解像度のリスト: 4320p, 2160p, 1440p, 1080p, 1080i, 720p, 640p, 576i, 480p, 480i, 360p, 240p
* テレビ関連: EDTV, LDTV, VCD, モバイルテレビ, HDTV, HD DVD, DVD, HDV, SDTV, SVCD, BD, DV

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