ディマプル

インド北東部の要衝、ディマプル

ディマプルは、インド北東部ナガランド州に位置する都市で、同州最大の規模を誇ります。ディマプル県の県都であり、都市圏人口は約20万人に達します。この地名は、カチャリ族の言葉に由来し、「大きな川沿いの町」を意味します。かつては、アッサム地方を支配したアーホーム人によって「レンガの町」や「ディマ川の町」と呼ばれていました。

多様な民族が共存する「ミニ・インディア」

ディマプルは、州内の他の都市とは異なり、インド各地から多様な民族が集まる場所として知られています。2011年の国勢調査では約12万人の住民が確認されており、その周辺地域まで含めると20万人から22万人と推計されています。特に過去20年間で人口は3倍以上に増加しており、インド国内でも最も急速に成長している都市の一つです。

住民構成は、先住民族であるナガ人が約5割を占める一方で、ベンガル人、アッサム人、ネパール人、ビハール人、パンジャブ人、タミル人、ケーララ人など、インド各地からの移住者が増加しています。さらに近年では、チベット人の商人なども定住しており、まさに「ミニ・インディア」と呼ぶにふさわしい多文化都市となっています。

経済・交通・軍事の要衝

ディマプルは、ナガランド州の経済・開発の中心地であり、マニプル州への玄関口としても重要な役割を果たしています。国道39号線が通り、州都コヒマ、マニプル州都インパール、さらにはミャンマー国境のモレーへと繋がっています。

交通面では、ナガランド州内で唯一、鉄道と空路の両方が利用可能な都市です。ニューデリーやコルカタへの直行列車が運行しており、ディマプル空港からはコルカタへの便が毎日運航しています。また、外国人入域制限地域であるため、外国人観光客は空路での入域しか認められておらず、入域には許可証が必須です。

ディマプルは、軍事拠点としても重要な位置を占めており、国境道路整備を担当するBROの本部や、CRPFの大規模な基地、インド陸軍の駐屯地などが置かれています。一方、ナガランドの独立を求める反政府組織NSCN(IM)の拠点も存在しています。

観光と暮らし

ディマプルには、観光客や地元住民の憩いの場となる「グリーンパーク」や、14世紀のカチャリ王宮の廃墟などの観光スポットがあります。また、郊外のチュムケディマからは、ナガ人の伝統的な生活様式に触れることができる観光村や滝を巡るトレッキングツアーが人気です。空港近くには、文化交流の拠点である北東地区文化センターがあります。

近年、ディマプルではショッピングセンターや市場が発展しており、ニュー・マーケットやホンコン・マーケットなどが賑わっています。また、サーキュラーロードとNLロードは、主要な商業地区として知られています。レストランや酒場も多く、インド料理、中華料理、ナガ料理など様々な料理を味わうことができます。

土地所有規制の緩和により、ナガ人以外も土地を購入できるようになり、さらなる発展が期待されています。

関連項目

コヒマ - ナガランド州の州都

外部リンク

ディマプル県公式サイト（英語）

もう一度検索