ディレクシブ

ディレクシブ（Direxiv）について

ディレクシブは、かつて日本のモータースポーツシーンに存在したレーシングチームであり、国内外の様々なカテゴリーで活動を展開しました。設立当初から目指していたのは、モータースポーツ最高峰の舞台であるF1への参入でしたが、数々の挑戦の末、最終的には活動を停止することとなりました。

歴史の足跡

ディレクシブは、その活動の初期から積極的に上位カテゴリーへの挑戦を試みました。特に、フォーミュラ・ニッポンやSUPER GTといった日本のトップカテゴリーに勇敢に参戦し、各種の国際イベントにも顔を出しました。顕著な特徴は、すでに確立されたチームのスポンサーシップを通じて海外のレースに関与したことです。例えば、F3選手権やGP2（現F2）では、DPRチームと提携しました。

日本国内の活動では、元レースクイーンの芳賀美里がチーム監督として迎え入れられるなど、注目を集める存在でした。特に、芳賀の起用は当時のモータースポーツ界に新たな風をもたらしました。

F1への挑戦と計画

ディレクシブが抱いていた夢は、F1への参入でした。そこで、元F1ドライバーのジャン・アレジをシニアエグゼクティブアドバイザーとして迎えるなど人材の確保に力を入れました。命がけのデモランを鈴鹿サーキットで行い、マクラーレンとの提携についても発表されましたが、協力の具体的内容については正式に公開されることはありませんでした。それでも、「マクラーレンのBチーム」としてF1参戦への期待は高まりました。ドライバーとして候補に挙がったのは、ペドロ・デ・ラ・ロサやルイス・ハミルトンなど、当時の注目選手たちです。

2006年にはGP2への新規エントリーを試みるものの、 FIAの選考により不成功に終わり、ディレクシブのレース活動に転機が訪れます。

突然の撤退

F1の夢が破れた後、ディレクシブの親会社であるアキヤマホールディングスが事業戦略を変更し、SUPER GT以外のカテゴリーから一斉に撤退を表明します。この宣言は、2006年8月1日に行われ、その後8月9日には完全にモータースポーツからの撤退が発表されました。これは、多くのファンにとって驚きの決定であり、チームの活動は急速に終焉を迎えました。

SUPER GTでは、谷口信輝と密山祥吾がランキング首位にいたものの、チームの運営が困難になったため、マシンのメンテナンスをR&D SPORTが引き継ぎました。この経緯を経て、2006年のシーズンは3位で終了します。公式ウェブサイトも更新が途絶え、多くのファンはチームの消息を追うことができないままとなりました。

その後の展開

ディレクシブの公式撤退以降、芳賀美里は新たなプロジェクト「楽天BOMEX 320R」にて監督として復帰し、その後も2008年のSUPER GTでは「MOLA レオパレス Z」を率いました。このチームは、2008年のGT300クラスでのドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得し、かつての功績をリベンジする形となりました。

さらに、芳賀は2021年には「Yogibo NSX GT3」の監督としてレース界に復帰し、久々の現場復帰を果たしました。これにより、ディレクシブが生んだ情熱は、今もなおモータースポーツ界に影響を与えています。

まとめ

ディレクシブは、夢を追い求めたものの、さまざまな壁にぶち当たり、素晴らしい歴史を持ちながらも活動を終えたチームでした。しかし、その影響や教訓は、モータースポーツにおける情熱と挑戦の象徴として、今でも語り継がれています。

もう一度検索