デジタルピンボール

デジタルピンボールシリーズ：セガサターンからモバイルへ

KAZe（カゼ）がセガサターン向けに発売した『デジタルピンボール』シリーズは、同社のピンボールゲームの代名詞となりました。セガサターン版の特徴は、インターレースモードを用いた高解像度表示と、複数の個性的なピンボール台を収録している点です。各台のルールは、詳細な説明書で丁寧に解説されているのも特徴です。ゲームデザインとグラフィックデザインは小林孝志氏が担当しました。

ラストグラディエーターズ：剣闘士たちの激闘

『ラストグラディエーターズ』は、剣闘士をテーマにした「GLADIATORS」をはじめ、4つの魅力的なピンボール台を収録しています。1997年には、ボールの挙動調整などを行ったバージョンアップ版「Ver.9.7」が発売されました。音楽はダグ・アルドリッチ氏と高濱祐輔氏が担当しました。

2010年には、ビサイドよりiPhone向けに移植されました（KAZe監修）。Ver.9.7をベースとした「Ver.2010」としてリリースされ、当初は「GLADIATORS」のみ収録され、他の3台はアドオン購入という形でした。同年6月のアップデートでiPadへの対応と、筐体とプレイフィールドを同時に表示する縦画面モードが追加されました。残念ながら、2018年時点では配信は終了しています。

収録台は以下の通りです。

GLADIATORS
KNIGHT OF THE ROSES
DRAGON SHOWDOWN
WARLOCK

ネクロノミコン：クトゥルフ神話の暗影

『ネクロノミコン』は、クトゥルフ神話の世界観を題材とした3つのピンボール台が収録されています。前作と比較して収録台数は減りましたが、透明度の高いランプレーンや、実機では不可能な台の装飾変形ギミックなど、演出面が大幅に強化されました。最大7球が排出されるマルチボールモードや、フィーチャーラウンドといった、爽快感あふれるゲーム性も魅力の一つです。音楽は、ドリーム・シアターのジョン・ペトルーシ氏と高濱祐輔氏が担当しました。

収録台は以下の通りです。

ARKHAM
CULT OF THE BLOODY TONGUE
* DREAMLANDS

デジタルピンボール：ブランドとしての確立

『ネクロノミコン』以降、「デジタルピンボール」のロゴが使用されるようになりました。これは、○の中に「DP」（「D」は左右反転）のデザインで、登録商標となっています。セガサターン版の開発スタッフの退社後も、KAZeのピンボールゲームブランドとして、監修のみの作品にもデジタルピンボールの名が冠されるようになりました。デジタルピンボールは、高いクオリティと独自の世界観で多くのファンを魅了し、ピンボールゲーム史に名を刻むシリーズとなりました。

シリーズを通して、緻密なゲームデザインと、魅力的なグラフィック、そして質の高い音楽が融合し、プレイヤーを仮想のピンボールの世界へと誘います。各機種の個性や、それぞれのテーマを反映したピンボール台の数々は、何度プレイしても新鮮な驚きと楽しさを提供し続けるでしょう。

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