デジタルラジオ推進協会

一般[[社団法人]]デジタルラジオ推進協会（DRP）について

一般[[社団法人]]デジタルラジオ推進協会（The association for promotion of digital radio broadcasting）は、かつて存在した日本の非営利団体です。略称はDRP。

概要

この協会は、主にFMラジオ放送のデジタル化を推進することを目的として設立されました。2003年（平成15年）から地上デジタル音声放送の実用化試験放送を開始し、技術的な検証を進めました。また、2006年（平成18年）からは、地下街など電波が届きにくい場所での難視聴対策として、地上デジタルテレビ放送、FM放送、AM放送の再送信事業も行っていました。

しかし、地上デジタル音声放送が制度として確立されず、事業としての将来性が見込めなくなったため、2011年（平成23年）に試験放送を終了しました。その後、2014年（平成26年）には放送波遮蔽対策推進協会と名称を変更し、組織を改組。再送信事業に特化した団体として活動を継続しました。

放送波遮蔽対策推進協会は、主に東京、大阪、名古屋の各地域における地下街で再送信事業を展開しました。2020年（令和2年）には、これらの事業を地下街の管理会社に引き継ぎ、同年に解散しました。

沿革

デジタルラジオ推進協会の主な沿革は以下の通りです。

2001年（平成13年）10月23日：社団法人として設立。事務所は東京タワー芝公園スタジオビルに設置。
2003年（平成15年）
10月1日：東京と大阪で実用化試験局の免許を取得。
10月10日：試験放送を開始。
2007年（平成19年）
2月19日：東京局の送信出力を増力。
6月27日：情報通信審議会が、テレビ放送用周波数帯の一部（170MHzから205MHz）を警察・消防などの自営通信に割り当てることを答申。
12月6日：170MHzから205MHzの周波数帯は、放送業務への割り当てを平成23年7月24日までとし、それ以降は移動業務に割り当てられることが決定。これにより、試験放送は2011年7月24日に終了することになりました。
2010年（平成22年）
6月30日：大阪局の試験放送を終了。
10月5日：試験放送の終了を当初予定より約4ヶ月前倒し、2011年3月31日とすることを発表。

これは、デジタルラジオの実用化試験放送において一定の成果が得られ、残りの検証も2010年度内に終了する見込みが立ったためとされています。
2011年（平成23年）3月31日：試験放送を終了。
2012年（平成24年）4月30日：事務所を日本女子会館に移転。
2013年（平成25年）4月1日：一般[[社団法人]]化。
2014年（平成26年）4月1日：放送波遮蔽対策推進協会（The association for dtv and radio retransmission promotion）と改称。

この後の活動については、放送波遮蔽対策推進協会の沿革を参照してください。

構成（2013年4月1日時点）

理事長：清水洋二
正会員：朝日放送、FM802、大阪放送、東京放送ホールディングス、ニッポン放送、日本放送協会（NHK）、文化放送、毎日放送
賛助会員：協会の事業を支援するラジオ・テレビ放送事業者、受信機器・放送設備メーカー、広告代理店など27社
特別会員：不感対策事業に参加する地下街の管理会社や放送事業者など33社

無線局

実用化試験局の免許の概要は以下の通りです。

周波数：アナログテレビジョン放送の7チャンネル相当の周波数を使用。
呼出符号：
呼出符号「JOAZ」と「JOBZ」は、かつてNHKに指定される予定でしたが、JOBZが実際に指定されることはありませんでした。
臨時目的放送制度が導入された後、これらの呼出符号は、イベント放送局や臨時災害放送局など、NHKに未指定の局に割り当てられるようになりました。
コミュニティ放送の制度化以降は、「JOYZ」が指定されることになり、1994年（平成6年）には、JOAZが柏崎市のぎおん柏崎まつり、JOBZが羽咋市の羽咋市まつりのイベント放送局に指定された後、これらの呼出符号は使用されなくなりました。

関連情報

関連項目：地上デジタル音声放送
外部リンク：デジタルラジオ推進協会 - ウェイバックマシン（2013年11月22日アーカイブ分）


デジタルラジオ推進協会は、日本のデジタルラジオ放送の初期における技術開発や制度設計に重要な役割を果たしました。試験放送の実施や難視聴対策事業への取り組みは、その後のデジタル放送の発展に貢献したと言えるでしょう。

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