デュランゴ (コロラド州)

デュランゴ:歴史と自然が織りなす観光都市



デュランゴは、アメリカ合衆国コロラド州南西部に位置する都市で、ラプラタ郡の郡庁所在地です。人口は約2万人(2020年)で、フォー・コーナーズと呼ばれる地域の中心都市の一つです。かつては鉱業で栄えましたが、現在はその歴史的な街並みと豊かな自然を活かした観光都市として知られています。

歴史


この地はもともとユート族の居住区でした。1874年、ブルーノット協定により、ユート族はこの地を白人入植者に明け渡し、アニマス川流域に入植が始まりました。その後、周辺のサンワン山地での鉱業が発展し、1876年には現在のデュランゴの北にアニマス・シティが建設されました。しかし、1880年にデンバー・アンド・リオグランデ鉄道が開通する際、アニマス・シティとの間で土地をめぐる争いが起こり、鉄道会社はアニマス・シティを避け、その南に新たな町を建設しました。この町がデュランゴです。

デュランゴという名前は、鉄道会社の代表者がメキシコのデュランゴを訪れた際に、その町の名前がスペインの同名都市に由来することに触発されて名付けられました。デュランゴはバスク語の「水の町」を意味する言葉に由来するとされています。現在、この2つの同名都市はデュランゴの姉妹都市となっています。

鉄道の開通に伴い、アニマス・シティの住民はデュランゴに移住し、アニマス・シティはデュランゴに吸収されました。1881年には正式な町となり、建物や製錬所が建設され、1890年代初頭には電気が通り、路面電車や新聞社も誕生しました。人口は2,700人にまで増加しました。

地理


デュランゴは、ロッキー山脈の西縁、サンワン山地に囲まれたアニマス川沿いに位置しています。市の標高は約1988mです。市の面積は約17.6km²で、市街地はアニマス川を中心に南北約6km、東西約3kmに広がっています。ダウンタウンはアニマス川の東岸にあります。

高地に位置するため、気温の年較差日較差が大きく、夏は涼しく、冬は非常に寒くなります。夏の平均気温は18℃程度、冬の平均気温は-7℃程度です。降水量は年間500mm程度で、冬には月間12cm程度の降雪があります。

観光


デュランゴは、かつての鉱山町としての歴史的な街並みが残っており、観光の目玉の一つとなっています。ダウンタウンには、西部開拓時代や鉱山町として栄えた時代の建造物が数多く残っています。

また、自然環境に恵まれたデュランゴはアウトドア活動の拠点としても人気です。アニマス川では、釣りいかだ下り、カヤックカヌーなどが楽しめます。周辺の山々では、ハイキングマウンテンバイクロッククライミング、狩りなどが盛んに行われています。さらに、周辺には5つのスキー場ゴルフ場もあり、リゾート地としての側面も持っています。

デュランゴは、西に約56km離れた場所にあるメサ・ベルデ国立公園への玄関口でもあります。メサ・ベルデ国立公園は、岩壁に作られたプエブロの住居跡で、ユネスコの世界遺産に登録されています。

また、デュランゴは、鉱山で栄えたシルバートンへの玄関口でもあり、デュランゴとシルバートン間を結ぶデュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道観光客に人気です。この鉄道はもともと鉱石の輸送用として開通しましたが、現在では蒸気機関車が牽引する観光列車として運行されています。

交通


デュランゴの玄関口となる空港は、市の南東約16kmに位置するデュランゴ・ラプラタ郡空港です。同空港には、ユナイテッド航空デルタ航空、アメリカン航空が就航しています。市内中心部では、国道160号線と国道550号線が交わります。国道160号線は「オールド・スパニッシュ・トレイル」と呼ばれ、かつてはサンタフェとロサンゼルスを結ぶ重要な交易路でした。

一方、国道550号線は、デュランゴより北のユレイまでの区間が「ミリオンダラー・ハイウェイ」と呼ばれています。この道は途中、シルバートンを通ります。デュランゴより南では、同国道は高速道路規格の4車線道路となっており、アルバカーキへと繋がっています。バスは、アルバカーキとグランド・ジャンクションを結ぶ路線が国道550号線を通っています。

人口動態


2000年の国勢調査によると、デュランゴの人口は13,922人でした。人種構成は白人が86.84%、ネイティブ・アメリカンが5.51%、ヒスパニック・ラテン系が10.31%などです。年齢構成は18歳未満が16.6%、18歳から24歳が26.1%などとなっています。世帯の平均構成人数は2.23人、家族の平均構成人数は2.83人でした。収入の中央値は、世帯で34,892米ドル、家族で50,814米ドルです。

姉妹都市


デュランゴは、メキシコスペインにある同名の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

デュランゴは、歴史と自然が調和した魅力的な都市であり、訪れる人々を魅了し続けています。

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