デヴィッド・ミットン

デヴィッド・ネルソン・ゴッドフリー・ミットン

デヴィッド・ネルソン・ゴッドフリー・ミットン（David Nelson Godfrey Mitton）は、1939年2月27日にスコットランドのイースト・ロージアン、プレストンで生まれたイギリスの映像作品プロデューサー、ディレクター、特殊効果技術者です。彼は、子どもたちに広く愛されるテレビシリーズ『きかんしゃトーマス』の初代監督として知られています。サクセスストーリーの始まりは、彼の生い立ちに根ざしています。

生い立ち

ミットンはパブリックスクールを卒業した後に美術学校へと進み、その後、イギリス海軍に入隊して水難救助員としてアデンに駐在しました。これにより彼は視覚的な表現や緊急事態での迅速な判断力を培い、後のキャリアに役立てる基盤を築きました。

キャリアの幕開け

1960年代初頭にイギリスに帰国したミットンは、ジェリー＆シルヴィア・アンダーソン夫妻が設立した映像製作会社「APフィルムズ」に入社しました。ここでは特殊効果監督のデレク・メディングスの下で特撮人形劇の破壊エフェクトを担当し、『サンダーバード』や『ジョー90』など、多くの名作に貢献しました。この経験は後に、彼が手がけた数々の映像作品においても活かされることになります。

しかし、『スペース1999』製作時のスタッフの新陳代謝を背景に、ミットンはAPフィルムズを退職し、フリーランスのディレクターとして独立します。以降は、リドリー・スコット製作のCMにアシスタントディレクターとして参加したり、自らの手でアニメーションのCMを制作したりします。1970年代には、特撮やストップモーション・アニメーションの制作を中心とした制作プロダクション「クリアウォーター・フィーチャーズ」を設立すると、ここで数多くのテレビCMを手掛け、いくつかの賞も受賞しました。

『きかんしゃトーマス』の誕生

クリアウォーター社によるヨーグルトのCMに対し、放送作家のブリット・オールクロフトが感嘆し、彼にテレビシリーズ『くじらプル司令官』の映像化を実現させるためにオファーをしました。そこでミットンは鉄道模型を使用した人形劇の制作方法を提示し、1984年から放送が始まる『きかんしゃトーマス』の監督を務めることになります。ミットン自身もプロデューサーとして参加し、様々なエピソードを執筆します。1989年には、同じく人形劇のスタイルを生かしたオリジナルのテレビシリーズ『がんばれタッグス』も手掛けました。

晩年と功績

2000年にクリアウォーター社は解散し、代わりにブリット・オールクロフト社のスタッフとして『きかんしゃトーマス』の制作を続けました。しかし、2002年に権利がヒット・エンターテインメントに売却され、製作方針の変更によりミットンは監督職を降板せざるを得なくなりました。彼は第1シリーズから第7シリーズまでの180話を監督した実績を残しています。

晩年には、かつての同僚デヴィッド・レーンと共に「パイナップル・スクエアード・エンターテインメント」という映像会社を設立し、3DCGアニメーション「Adventures on Orsum Island」などのプロジェクトにも関与しました。残念ながら、2008年5月16日に心臓発作により69歳で亡くなりましたが、彼の功績は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

主な担当作品

• - 特殊効果技術者

1965年 - サンダーバード
1967年 - キャプテン・スカーレット
1968年 - ジョー90
1970年 - 謎の円盤UFO

• - 監督・脚本

1984年〜2003年 - きかんしゃトーマス（計180話監督、29話脚本、17話ストーリー原案）
1989年 - がんばれタッグス（計13話監督、6話脚本）

• - プロデューサー

1984年〜1998年 - きかんしゃトーマス（計130話）

• - 模型制作監修

2000年 - きかんしゃトーマス 魔法の線路

デヴィッド・ミットンの遺した作品は、多くの子どもたちの心に残り、今もなお愛され続けています。

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