デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン (海防戦艦)

デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン (Hr.Ms. De Zeven Provinciën)

デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェンは、オランダ海軍が1908年に建造した海防戦艦です。この艦名は、オランダの七つの州を象徴する美称に由来しています。要は、オランダ本国の歴史と誇りを反映した艦名です。

概要

本艦は、オランダの植民地防衛のために設計・建造され、特に蘭印地域での任務に従事していました。しかし、時の流れと共に旧式化が進み、最終的には砲術練習艦として転用されることが決定しました。改名してスラバヤとなり、太平洋戦争中の1942年2月、日本軍の進攻に直面し、スラバヤ軍港で自沈を余儀なくされました。

艦形

この艦艇のデザインは、当時の海軍艦艇のトレンドに則った平甲板型の船体を採用しています。艦先には衝角が設けられ、その上には強力な「クルップ 28cmライフル砲」が装備され、単装砲塔として配置されていました。艦橋の周囲は制御塔を含み、両側に船橋を配備し、シンボル的なマストを立たせています。

中央部には2本の煙突が備わり、艦載艇を保管する用のスペースが確保されていました。後部には28cm砲塔も配置されるなど、総合的に見てその武装は優れており、艦首および舷側方向に多様な砲を指向可能にしていました。

武装と改装

就役の際には、艦装備として多くの砲が設置されていましたが、1935年から1936年にかけての改装により、ボイラーが重油専焼缶に更新され、煙突の数も減少。新たにボフォーズ4cm機関砲やブローニング12.7mm機銃が加わり、近代化が図られました。このように、本艦は常に時代の流れに対応してきました。

機関性能

本艦の動力源には8基のヤーロー式石炭専焼水管缶と、三段膨張式四気筒レシプロ機関が用いられました。これにより公試で最高出力が8,516馬力、速力16.27ノットを発揮し、運用の仕様が定められました。1936年に燃料を重油に変更した際、出力は多少の向上が見られたものの、速力は当初と変わりませんでした。

艦歴

建造はアムステルダム工廠で行われ、1908年2月に起工し、1910年10月に竣工しました。その後、1911年にはインドネシアへの航海を開始し、様々なポートを訪問しました。1919年にはオランダ本国に帰還し、再び東インドに向かいましたが、そこで反乱が発生し、艦の歴史に新たな章を加えました。

反乱とその後

1933年の大恐慌の影響で給与が削減される中、艦内で反乱が発生しました。この反乱は短期間で沈静化しましたが、多くの艦員が影響を受け懲役刑に処されました。その後、艦は訓練用途に改造され、1937年には新たに兵器が装備され、再就役しました。しかし、その栄光は1941年に日本軍が蘭印への攻撃を行ったことで一転、艦は運命を迎えます。

1942年2月18日、艦は日本軍の攻撃を受け、最終的に自沈。スラバヤはその後、日本軍によって浮揚され、兵器の回収後再度自沈しましたが、その姿は当時の軍港で異彩を放っていました。

結論

デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェンは、オランダ海軍の歴史の中で重要な役割を果たし、数々の歴史的な出来事と深い関わりのある艦艇です。この艦がもたらした影響や教訓は、今なお海軍の歴史を彩っています。

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