トゥクルティ・ニヌルタ2世

トゥクルティ・ニヌルタ2世：新アッシリア時代の王

トゥクルティ・ニヌルタ2世は、紀元前891年から紀元前884年までアッシリアを統治した王であり、新アッシリア時代の2番目の王として知られています。彼は、父であるアダド・ニラリ2世の跡を継ぎ、アッシリアの領土を安定させ、その支配を周辺地域に拡大することに尽力しました。

領土の安定化と拡大

トゥクルティ・ニヌルタ2世は、新ヒッタイト諸国、バビロニア、アルメニアに対する支配を確固たるものとしました。治世の初期には、イランのザグロス山脈への遠征を成功させ、ペルシア人やメディア人が定住していた地域を新たに平定しました。これらの軍事的な成功は、アッシリアの勢力範囲を広げ、資源を確保する上で重要な役割を果たしました。

また、ビート・ザマニの王、アンミ・バアルに対する勝利も、彼の治世における重要な出来事の一つです。トゥクルティ・ニヌルタ2世はアンミ・バアルとの間に条約を結び、ビート・ザマニをアッシリアの同盟国、実質的には属国としました。この条約には、アッシリアの敵国への馬の売却を禁ずる条項が含まれており、アッシリアの軍事的な優位性を維持するための戦略的な意味合いがありました。アンミ・バアルはその後も権力の座に留まりましたが、トゥクルティ・ニヌルタ2世のフルリ人やウラルトゥ人に対する遠征に協力することを余儀なくされました。

都市の発展

トゥクルティ・ニヌルタ2世は、ニネヴェとアッシュルの都市を大きく発展させました。彼は、これらの都市の城壁を強化し、宮殿や神殿を建設することで、都市の景観を刷新しました。また、自身の軍事的な勝利を記念するために庭園を飾り立てるなど、都市の美化にも力を注ぎました。これらの建築事業は、アッシリアの繁栄を象徴するものであり、彼の治世の重要な成果の一つとして評価されています。

後継者

トゥクルティ・ニヌルタ2世の死後、彼の息子であるアッシュル・ナツィルパル2世が王位を継承しました。アッシュル・ナツィルパル2世もまた、アッシリアの拡大と発展に大きく貢献し、新アッシリア帝国の黄金時代を築き上げました。

まとめ

トゥクルティ・ニヌルタ2世は、新アッシリア時代の王として、領土の安定化、勢力拡大、都市の発展に大きく貢献しました。彼の軍事的な才能と建築事業への情熱は、アッシリアを強大な国家へと押し上げる上で重要な役割を果たしました。

関連項目

新アッシリア帝国
ニノス

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