トクサ目

トクサ目（Equisetales）について

トクサ目は、大葉シダ植物のトクサ亜綱に分類される一群で、現存する唯一の目として位置づけられています。この目に属するのは、トクサ科トクサ属の15種類のみであり、多くの化石種を含むロボク科と深い関わりを持っています。トクサ目は後期デボン紀から現在まで生息しており、その進化の過程には特異な変化が見られます。特に、トクサ属と化石のロボク科は共通の祖先から発展したと考えられています。

系統関係

Elgorriagaら（2018）の研究により、トクサ亜綱の系統樹が示されています。この系統樹は、現生植物の進化を理解する上で重要な手がかりとなります。西田（2017）によると、アルカエオカラミテス科はロボク科に含まれ、ネオカラミテスはトクサ科に含まれるとのことです。

形態

トクサ目の胞子体には、根・茎・葉の明確な分化が見られます。特に特徴的なのは、茎の表面に存在する隆条と呼ばれる構造です。これに加え、輪生葉の形を持ち、ロボク科ではその基部が互いに融合し、葉鞘を形成する点も注目されるべきです。茎の構造は管状の中心柱を持ち、通水道を備えており、髄腔が間に存在します。胞子は弾糸に包まれており、これが胞子散布に寄与しています。

トクサ目に含まれるロボク科とトクサ科の共通祖先は、大葉シダ植物の共通祖先から進化したと考えられています。特に、中心柱が進化する過程で髄腔が形成され、通水道が出現しました。また、胞子嚢の表面が剥がれて、リボン状の弾糸が進化しました。

通気組織

トクサ目の特異な点として、通気組織の存在があります。姉妹群であるスフェノフィルム目は中実ですが、トクサ目では通気組織が発達しています。アルカエオカラミテス科では中心柱が環状で、通水道と通気孔が存在します。また、ロボク科の茎は髄腔や通水道を持ち、中空で構造的に特徴的です。トクサ科の茎は中空であり、3種類の通気組織を持つのが特徴です。

• - 髄腔：茎の中央にある空洞。
• - 通水道：原生木部周辺に存在し、大きな穴を持つ。
• - 通気孔：節間にはないが、地下茎に存在する。これらの通気組織の発達により、トクサ科は特有の生態的機能を持つと考えられています。

下位分類

トクサ目の分類は、PPG I（2016）や西田（2017）、Elgorriagaら（2018）の研究をもとに細分化されています。具体的には、ロボク科とトクサ科に分けられ、多くの化石属が含まれています。ロボク科はその大きさから、かつては独自の目として扱われたこともあります。以下に、トクサ目の主要な分類を示します：

• - トクサ目（Equisetales）

- アルカエオカラミテス科（†Archaeocalamitaceae）
- アルカエオカラミテス（†Archaeocalamites）
- その他多くの化石属
- ロボク科（Calamitaceae）
- ロボク（Calamites）
- アンヌラリア（Annularia）
- アステロフィリテス（Asterophyllites）
- トクサ科（Equisetaceae）
- トクサ属（Equisetum）

このように、トクサ目は多様な植物を含むグループであり、進化の過程における特異性や生殖構造の変化が見られます。特に化石種との関連は、古植物学における重要な研究テーマとなっています。

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