トップールの戦い

トップールの戦いの概要

トップールの戦い（Battle of Toppur）は、1617年初頭に南インドのヴィジャヤナガル王国で発生した重要な内戦の一つです。この争いは、王位継承を巡る権力闘争の結果として起こりました。

経緯

1614年、ヴィジャヤナガル王国最後の名君と称されるヴェンカタ2世が死去し、王国は急速に衰退の道をたどります。彼の死後、甥であるシュリーランガ2世が王位に就任しましたが、王国の状況は混乱を極め、ヴェンカタ2世の嫡出であるジャッガ・ラーヤも王位を主張し、これにより大規模な内乱が引き起こされます。この内乱は、王国内の有力者たちが自らの権力を強化する機会を求め、隣国のビジャープル王国やゴールコンダ王国もこの争いに介入することになります。

内乱の結果、ジャッガ・ラーヤはビジャープル王国とゴールコンダ王国の支援を受けて勝利し、ヴィジャヤナガル王国の王として即位します。しかし、彼の治世は短命でした。シュリーランガ2世の遺児ラーマ・デーヴァ・ラーヤが1616年末に挙兵し、復讐の機会を狙います。彼は、タンジャーヴール・ナーヤカ朝のラグナータ・ナーヤカという有力な同盟者を得て、敵であるジャッガ・ラーヤのいる首都ヴェールールに向かいます。

一方、ジャッガ・ラーヤもマドゥライ・ナーヤカ朝やシェンジ・ナーヤカ朝の加入を受けて、多くの軍勢を集めており、両軍は1617年初頭にトップールで激突します。戦いの結果、少数の兵力であったラーマ・デーヴァ・ラーヤの軍が勝利し、彼が新たな王として即位します。この勝利は、ラグナータ・ナーヤカの奮闘によってもたらされたものです。

戦闘後の情勢

新たな王となったラーマ・デーヴァ・ラーヤ（在位1617-1632）は、統治を始めるやいなや、暴政を行い王国の状況をさらに悪化させます。彼はビジャープル王国やゴールコンダ王国に敵対する姿勢を見せ、これがさらなる軍事的侵入を招く結果となりました。

ラーマ・デーヴァ・ラーヤは王国を15年間統治しますが、1630年に急死します。その後、1634年には彼の盟友であるラグナータ・ナーヤカも同様に亡くなります。これによりゴールコンダ王国の侵略はさらに激化し、ラーマ・デーヴァ・ラーヤの死後、彼の後を継いだ王、ヴェンカタ3世（在位1630-1642）やシュリーランガ3世（在位1642-1649）は、王国の危機に直面することになりました。

結果的に、ラーマ・デーヴァ・ラーヤの治世における政策や行動は、王国の滅亡に向けた決定的な一因となり、より早期にビジャープル王国に滅ぼされる運命を辿ることになりました。歴史的に見ても、トップールの戦いは王国にとって重要な転機となったのです。

参考文献

• - 「新版　世界各国史7　南アジア史」　山川出版社　辛島　昇
• - 「世界歴史の旅　南インド」　山川出版社　辛島昇・坂田貞二
• - 「接続された歴史　インドとヨーロッパ」　名古屋大学出版会　S・スブラフマニヤム 著　三田昌彦・太田信宏 訳

関連項目

• - ヴィジャヤナガル王国
• - ヴィジャヤナガル

外部リンク

• - Battle of Toppur
• - Definition of toppur

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