シュリーランガ3世

シュリーランガ3世の生涯とその影響

シュリーランガ3世（生年不詳 - 1672年）は、南インドのヴィジャヤナガル王国における最後の君主であり、アーラヴィードゥ朝の一員として1642年から1649年まで在位しました。彼の治世は、王国の崩壊とその後の復興の試みという波乱に満ちたものでした。

即位以前の経歴と反乱

シュリーランガは、1630年から1635年の間に、叔父のヴェンカタ3世と対立して反乱を起こしました。オランダの支援を受けた彼は、他の国々と結託して叔父に対抗し、ビジャープル王国を侵略する手助けをしました。しかし、1638年頃には、シュリーランガはヴェンカタ3世に対して反乱を起こし、両者はバンガロールを攻撃し、これを占領しました。この戦闘は、シュリーランガが力を持つ要因となりました。

君主としての即位と王国の崩壊

1642年にヴェンカタ3世が亡くなると、シュリーランガは王位を継承しました。しかし、彼の反乱行為により、有力な豪族や他国から嫌われており、王国を支える力は薄れていました。シュリーランガはゴールコンダ王国に援助を求めましたが、これはさらなる領土の喪失を招きました。1644年、ビジャープル王国は南インドで要塞を築き上げ、シュリーランガの王国を圧迫し始めました。この年、王国の北部が次々に占領され、状況はますます厳しくなりました。

1646年には、シュリーランガが大規模な軍を組織しましたが、結果として彼の王国は包囲され、1649年にはビジャープル軍によってタンジャーヴールが陥落します。これにより、ヴィジャヤナガル王国は形式的には崩壊しました。

復興に向けた努力

シュリーランガの治世が終わる際、彼はまだ抵抗を続ける意欲を持ち続けました。王国は滅亡したものの、彼はタンジャーヴールから逃れた後も戦闘を続け、後の20年間に渡り、さまざまな戦争を繰り広げました。この時期、彼はビジャープル王国とゴールコンダ王国の対立を利用し、自らの支持基盤を模索していました。

彼の抵抗を持続可能にした要因には、ビジャープル王国の内部抗争や、マラーターの台頭が一因として挙げられます。また、シュリーランガはマイソール王国や地域の小領主からの支援を受け、戦力を整えることができました。1649年以降、彼はヴェールールに戻り、王国の復興に向けた活動を続けましたが、1652年には再びゴールコンダ王国の軍に占領されました。

ムガル帝国との交渉

シュリーランガ3世の執念は、デカン地方で台頭を目指すムガル帝国からの注目も集めました。彼はアウラングゼーブと直接交渉を試み、地域の支配権を取り戻そうとしました。しかし、1657年に起きたムガル帝国内部の政争により、彼の計画は頓挫しました。同年9月、皇帝シャー・ジャハーンの病気に伴い、アウラングゼーブは北インドに戻ることとなり、シュリーランガはチャンドラギリの支配を維持しました。

最後の時

彼の記録は1658年まで続きますが、その後についての記録は乏しいです。シュリーランガ3世は最終的にマイソール王国に亡命し、1672年まで生存したことが分かっています。

シュリーランガ3世は、反乱と王国の崩壊という苦難を経て、再建のために闘った南インドの歴史における重要な人物であり、彼の姿勢には多くの学びが残されています。

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