トマス・カイトリー

トマス・カイトリー（Thomas Keightley）

トマス・カイトリー（1789年10月17日 - 1872年11月4日）は、アイルランド生まれの作家、歴史学者として知られています。名前はトマス・キートリーとも表記されます。

生涯

1789年、カイトリーはアイルランドのキルデア州ニュータウンで生まれました。ダブリンのトリニティ・カレッジで法律を学びましたが、病気のため中退し、その後ロンドンへ移住しました。1828年には最初の著書である『フェアリー神話学』（The Fairy Mythology）を出版し、作家としての活動を本格的に開始しました。その後は歴史、神話、古典に関する研究書や評論を数多く発表しました。1872年、ケント州エリスで生涯を閉じました。

フェアリー神話学

『フェアリー神話学』は、1828年にエインスワース社から出版されました。カイトリー自身によれば、この著作はロバート・サウジーや、ドイツ語版を読んだゲーテやグリムから高く評価されたとのことです。1850年には大幅な改訂が行われ、ボーン社から再出版されました。

日本語訳

日本では、市場泰男によって『フェアリー神話学』の説明的な部分と民話の一部が翻訳され、『妖精の誕生』として1982年に社会思想社から出版されました。出版後、読者からの要望に応え、残りの民話の大部分を訳出した『フェアリーのおくりもの』が1983年に同じく社会思想社から出版されました。

その後、『妖精の誕生』は現代教養文庫として文庫化され、『フェアリーのおくりもの』と合わせて、原書の約8割が日本語で読めるようになりました。

日本語翻訳書一覧

『妖精の誕生 : フェアリー神話学』市場泰男訳、社会思想社〈そしおぶっくす〉、1982年10月
『妖精の誕生 : フェアリー神話学』市場泰男訳、社会思想社〈現代教養文庫〉、1989年9月、ISBN 4390113097
『妖精の誕生 : フェアリー神話学』市場泰男訳、文元社〈教養ワイドコレクション〉、2004年2月、ISBN 4861450462
『妖精の誕生 : フェアリー神話学』市場泰男訳、インタープレイ〈現代教養文庫ライブラリ〉（電子書籍）
『フェアリーのおくりもの : 世界妖精民話集』市場泰男訳編、社会思想社〈現代教養文庫〉、1983年12月、ISBN 4390110969
『中世の秘密結社 : すべてが"今"につながっている! : 歴史の闇に埋もれた真実を探る』立木勝訳、三交社、2009年10月、ISBN 978-4879191779

外部リンク

トマス・カイトリーの作品 （プロジェクト・グーテンベルク、英語）

関連項目

魂の籠
* 柳田國男

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