トマス・シン (初代バース侯爵)

初代バース侯爵 トマス・シン

初代バース侯爵トマス・シン（1734年9月13日 - 1796年11月19日）は、18世紀のイギリスで活躍した政治家であり、貴族でした。彼は、大ピットからノース卿に至るまでの内閣において、重要な役職である国務大臣を務めました。

生涯

1734年、第2代ウェイマス子爵トマス・シンとその妻ルイーザ（第2代グランヴィル伯爵ジョン・カートレットの娘）の長男として誕生しました。1751年に父の死去に伴い、第3代ウェイマス子爵位を継承。ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジで学び、1753年に修士号を取得しました。

1760年から1763年まで寝室侍従卿、1763年から1765年まで主馬頭を務めました。1765年4月から7月にはアイルランド総督に任命されましたが、実際にアイルランドへ赴任することはありませんでした。同年5月29日には枢密顧問官に列せられました。

1768年1月から10月にかけて、初代チャタム伯爵ウィリアム・ピット（大ピット）内閣で北部担当国務大臣を務め、ジョン・ウィルクス事件の処理とそれに伴うミドルセックス選挙区の選挙を迅速に実施しました。この際、ウィルクスから誹謗を受けましたが、結果的にウィルクスは庶民院から除籍されることになりました。

1768年10月に成立した第3代グラフトン公爵オーガスタス・フィッツロイ内閣、そして1770年1月に成立したノース卿フレデリック・ノース内閣では、南部担当国務大臣を務めましたが、スペインとの間でフォークランド諸島危機が発生した1770年12月に辞職しました。

1775年12月、再びノース卿内閣の南部担当国務大臣に任命されました。1779年には数ヶ月間、北部担当国務大臣も兼務しましたが、同年秋に両職を辞任しました。

1775年3月から11月、そして1782年から1796年まで、グローム・オブ・ザ・ストールの地位にありました。1789年8月18日には、グレートブリテン貴族爵位であるバース侯爵に叙せられました。

1796年11月19日、ロンドンのセントジョージ・ハノーバー広場アーリントン通りで死去。爵位は長男のトマス・シンが継承しました。初代バース侯の弟ヘンリー・カートレットは、初代バース侯の次男以下を特別継承者とする規定付きでカートレット男爵位を与えられました。ヘンリー・カートレットの死後、初代バース侯の次男ジョージ・シンが第2代カートレット男爵、三男ジョン・シンが第3代カートレット男爵位を継承しましたが、いずれも男子がいなかったため、ジョン・シンの死去とともにカートレット男爵位は廃絶しました。

爵位

1751年1月12日 父トマス・シンの死去に伴い、以下の爵位・準男爵位を継承
第3代ウェイマス子爵 (イングランド貴族)
第3代シン男爵 (イングランド貴族)
第4代準男爵
1789年8月18日 新規叙爵
初代バース侯爵 (グレートブリテン貴族)

勲章

1778年6月3日：ガーター勲章ナイト(KG)

家族

1759年3月22日、第2代ポートランド公爵ウィリアム・ベンティンクの娘エリザベス・キャヴェンディッシュ＝ベンティンクと結婚。以下の子を儲けました。

長男：トマス・シン（第2代バース侯爵）
次男：ジョージ・シン（第2代カートレット男爵）
三男：ジョン・シン（第3代カートレット男爵）
娘：ルイーザ・シン（第4代アイルズフォード伯爵ヘニッジ・フィンチと結婚）
娘：ヘンリエッタ・シン（第5代チェスターフィールド伯爵フィリップ・スタンホープと結婚）
娘：ソフィア・シン（第3代アシュバーナム伯爵ジョージ・アシュバーナムと結婚）
娘：イザベラ・シン（グロスター公爵夫人の寝室女官）
* 娘：メアリー・シン（庶民院議員オズボーン・マーカムと結婚）

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