トム・ロウ

トム・ロウ（Tom Rowe）

ニュージーランド生まれのトム・ロウ選手は、ジャパンラグビーリーグワンに所属する清水建設江東ブルーシャークスで活躍するプロフェッショナルなラグビーユニオン選手です。ラインアウトでの空中戦やスクラムでの推進力など、チームにとって不可欠な要素を担うロック（LO）として、その存在感を示しています。

詳細プロフィール

1991年2月21日にこの世に生を受けたトム・ロウ選手は、ニュージーランド南部に位置する歴史ある都市、ダニーデンの出身です。恵まれた体格を持ち、身長は202センチメートル、体重は115キログラムを誇ります。フィールド上での力強いプレーは、このサイズに裏打ちされています。チームメイトやファンからは、「T Rowe」というニックネームで親しまれています。

異色のキャリアパス

トム・ロウ選手のキャリアにおける特筆すべき点として、ラグビー一本ではなく、若年期にはバスケットボールでも高い才能を発揮していたことが挙げられます。なんと、バスケットボールのU19ニュージーランド代表に選出された経験を持っています。異なるスポーツで培われた身体能力や状況判断能力が、現在のラグビー選手としての彼に、独特の強みを与えているのかもしれません。

ラグビー経歴

ニュージーランド国内でのラグビーキャリアは、ダニーデンを拠点に発展しました。地元の名門校であるオタゴボーイズ高校で頭角を現し、その後はオタゴ大学へと進学し、学業と並行してラグビーに打ち込みました。大学卒業後も、ニュージーランド国内の代表的な州代表選手権であるマイター10カップなどで活躍する「オタゴ」チームでプレーを続け、その実力を磨きました。

プロ選手としてのキャリアが大きく動いたのは、2018年でした。南半球の強豪チームが集う国際リーグ、スーパーラグビーに日本から参戦していたサンウルブズの、2019年シーズンに向けたスコッドに選ばれたのです。これは、彼の高い能力が国際的な舞台でも認められた証と言えるでしょう。

そして2019年、日本のラグビー界を新たな活躍の場として選び、当時のジャパンラグビートップチャレンジリーグに所属していた九州電力キューデンヴォルテクスに加入しました。同年11月16日に行われた栗田工業ウォーターガッシュとのリーグ初戦に先発メンバーとして出場し、これが彼の日本における公式戦デビューとなりました。九州電力ではチームの中心選手として活躍し、経験を重ねました。

数シーズンにわたり九州電力でプレーした後、2023年にジャパンラグビーリーグワンDIVISION 2に所属する清水建設江東ブルーシャークスへと移籍しました。現在は、チームのセカンドローとして、豊富な経験とサイズを活かしたプレーでチームに貢献しています。セットプレーはもちろん、フィールドを駆け巡り、アタックやディフェンスにおいてもその存在感を発揮しています。

プレースタイルと貢献

ロックというポジションは、チームのフォワードパックにおいて非常に重要な役割を担います。トム・ロウ選手は、202センチという長身を最大限に活かし、ラインアウトでのボール確保や奪取において優位性をもたらします。また、体重115キログラムというフィジカルを武器に、スクラムの最前線で強力な推進力を生み出し、セットプレーの安定に貢献しています。試合中には、タックルで相手の攻撃を止め、ボールキャリーでゲインラインを突破するなど、献身的なプレーでチームを鼓舞します。過去のバスケットボール経験が、空中戦でのバランス感覚やポジショニングに良い影響を与えている可能性も考えられます。

日本でのキャリアを重ねるトム・ロウ選手は、その経験とフィジカル、そして異色の経歴から生まれるユニークなスキルセットで、清水建設江東ブルーシャークスにとって欠かせない存在となっています。今後のリーグワンでの更なる活躍が期待される選手の一人です。

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