トヨタカローラネッツ岐阜

トヨタカローラネッツ岐阜株式会社

トヨタカローラネッツ岐阜株式会社は、岐阜県岐阜市に本社を構える、トヨタ自動車の正規ディーラーです。大手物流グループであるセイノーホールディングスの完全子会社として、地域に根差した自動車販売・サービスを展開しています。

同社の事業は、岐阜県内におけるトヨタおよびレクサス車の新車・中古車販売、メンテナンスを核としています。トヨタの乗用車から軽自動車、ビジネスカーに至るまで、一部の商用車を除くほぼ全てのラインナップを取り扱っており、さらにダイハツやスズキの軽自動車も販売しています。これに加え、カー用品店のジェームス、各種保険代理業、情報通信機器（携帯電話）の販売なども手掛けており、多岐にわたる事業を展開しています。

同社の歴史は、複数の源流を持ちます。現在の存続会社である旧ネッツトヨタ岐阜は、1967年末にトヨタオート岐阜として設立され、翌年営業を開始しました。1998年には販売チャネル名の変更に伴いネッツトヨタ岐阜へ商号を変更しています。一方、旧トヨタカローラ岐阜は、1943年に岐阜県自動車商事として創業した長い歴史を持ち、幾度かの商号変更を経て1969年にトヨタカローラ岐阜となりました。また、旧ネッツトヨタセントロ岐阜（トヨタビスタ岐阜として1979年設立）も、かつては岐阜県内でトヨタ車の販売を担っていました。

これらの企業は、2005年10月1日に株式交換によって、新たに純粋持株会社となったセイノーホールディングスの完全子会社となりました。その後、グループ内での再編が進み、2010年7月にはネッツトヨタ岐阜がネッツトヨタセントロ岐阜を、2021年10月にはトヨタカローラ岐阜がジェームス岐阜をそれぞれ吸収合併しました。

そして2023年1月1日、トヨタ自動車が全車種の併売を開始したことを受け、セイノーグループ全体の事業効率化を図る目的で、ネッツトヨタ岐阜がトヨタカローラ岐阜を吸収合併する形で経営統合を果たしました。これにより、商号をトヨタカローラネッツ岐阜株式会社に変更。この合併は、合併前から1年以上にわたって事業のすり合わせが進められ、旧2社の本社機能も事前に新しい建物に集約されるなど、計画的に実施されました。

経営統合の結果、店舗数も大幅に増加し、合併時点ではトヨタ販売店76店舗、レクサス店1店舗、ジェームス店1店舗となりました。合併後、旧ネッツ店と旧カローラ店の名称を廃止し、「トヨタカローラネッツ岐阜」の屋号で全店舗の営業を開始しています。また、旧販売店で店舗名が重複していた場合は、店名の前に旧ブランドを示す「カローラ」または「ネッツ」を冠することで、顧客の混乱を防ぐ工夫がなされました（例：「カローラ大垣店」「ネッツ大垣店」）。

店舗網の拡大に伴い、効率的な店舗配置を目指した統廃合も積極的に行われています。合併前から旧ネッツトヨタ岐阜の下呂店が旧トヨタカローラ岐阜の下呂店に統合されたのを皮切りに、合併後は郡上店、高富店、鏡島店、前平店、北鶉店など、複数の店舗が周辺店舗への統合や移転によって集約が進められています。また、本社機能も旧トヨタカローラ岐阜の本社ビルに移転・集約され、本部部門の組織も一本化されるなど、経営資源の効率化が図られています。

この大規模な経営統合により、トヨタカローラネッツ岐阜は、岐阜県内のトヨタ系ディーラーの中で総店舗数、従業員数、売上高において最大級の規模を誇る自動車ディーラーとなりました。岐阜県内のトヨタ販売店の大部分をカバーする強固な販売網を構築し、地域におけるその存在感をさらに高めています。

事業の多様性も特徴の一つです。過去にはフォルクスワーゲンやアウディ車の販売も手掛けていましたが、現在はトヨタグループのブランドに特化しています。地域活動としては、かつてネッツカップ（ヴィッツレース）に参戦し、現在はヤリスカップへ参加するなど、モータースポーツを通じた活動も行っています。また、岐阜県内の大型商業施設であるカラフルタウン岐阜には、旧2社の時代から「レインボーモール店」を出店し、地域に根差した営業を続けています。

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