トヨタ・グランドハイエース

グランドハイエース（1999年-2002年）

グランドハイエースは、トヨタ自動車が1999年から2002年まで生産・販売していた3ナンバーサイズの高級ワンボックスミニバンです。グランビアの姉妹車として登場し、トヨペット店で販売されました。車名に「ハイエース」とありますが、これはトヨペット店の代表車種であるハイエースから取られたもので、日本仕様のハイエースをベースにしているわけではありません。欧州の衝突安全基準を満たすため、セミキャブオーバー化された欧州仕様のハイエースと多くのメカニズムを共有しています。

概要

グランビアとは、フロントグリルとリアコンビネーションランプのデザインが異なる程度で、基本的には同じ車です。しかし、最上級モデルにふさわしい高級感を出すため、トヨタの最上級セダンであるクラウンに通じるメッキ加飾を多用した大型グリルを採用し、トヨタミニバンシリーズにおけるクラウン的な位置づけを目指しました。そのため、グランビアよりも押し出し感の強い外観となっています。また、ハイエースシリーズのエンブレムが6年ぶりに復活し、中央に装着されました。

CMでは「BIG SCALE WAGON」「なにもかもがグランドだ」というキャッチコピーが使用され、CMソングには上條恒彦の「だれかが風の中で」（1972年、フジテレビ系「木枯し紋次郎」主題歌）が採用されました。

欧州向けグランビア（現地名ハイエース）のロングボディをベースとする「グランドハイエース特装車」も存在し、主に消防指揮車やキャンピングカーのベース車として供給されました。キャンピングカービルダー向けには、Bピラー以降を取り払って専用ボディを架装したモデルも多く見られ、トラックベースやキャブオーバー車を望まないキャンピングカー愛好家から支持されました。

初代 CH1/2型（1999年-2002年）

年表

1999年8月：グランビアのマイナーチェンジと同時に、トヨタミニバンシリーズの最上級モデルとして登場。
1999年10月：モデリスタインターナショナルが、豪華装備を加えたモデリスタバージョン「ハイルーフラウンジ」を発表。ハイルーフを採用して室内空間を充実させたA仕様と、ハイルーフ架装のみのB仕様がありました。本革シートや専用トリム、専用タイヤ＆アルミホイール、TRD製ローダウンサスペンションキットなどがオプションで用意されました。
2000年4月：特装車だった「G エアロストームエディション」がカタログモデルに昇格。上級グレードと同様にデュアルスライドドアを採用した「G・Xエディション5ドア」が追加されました。特別仕様車として「G・Lエディション」も設定されました。
2000年12月：「ウェルキャブ」シリーズを一部改良。サイドリフトアップシート車に、シートの回転から昇降までの動作を全自動で行うタイプが新設定されました。車いす仕様車は車いす固定装置が改良されました。
2001年8月：特別仕様車「G プライムセレクション」が設定されました。G Xエディション5ドアをベースに、Lエディションの特別装備に加えて、専用外装色、専用ストライプ、専用アルミホイール、専用シート表皮、セカンドシート回転収納フットレスト、専用木目調パネル、本革&専用木目調ステアリングホイール、足元照明などが特別装備されました。
2002年3月末：姉妹車種のツーリングハイエース、グランビア、レジアスと共に生産終了。在庫分のみの販売となりました。
* 2002年5月：姉妹車種のグランビアと共に販売終了。ただし、キャンパー特装車ロングボディモデルは2005年まで生産・販売されました。新車登録台数の累計は4万2145台です。

エンジン

搭載されたエンジンは、3,000ccのSOHCインタークーラーディーゼルターボ（1KZ-TE）と3,400ccV6DOHC（5VZ-FE）の2種類です。キャンパー特装車は5VZ-FE型のみの設定でした。

販売

グランドハイエースはトヨペット店で販売されました（東京地区は東京トヨタが併売、大阪地区は当時の大阪トヨタのみ販売）。トヨペット店では、スポーティーな外観を持つ一回り小さい姉妹車のツーリングハイエースも販売されていました。沖縄県では、レジアスの販売系列であるトヨタビスタ店が無かったため、沖縄トヨペットでツーリングハイエースの姉妹車であるレジアスも販売されていました。

車名の由来

「グランド（Grand）」は、英語で「大きい」「偉大な」という意味です。「ハイエース（HIACE）」は、「トヨエース」から由来したもので、英語で「高級な」「より優れた」という意味のHighとAceの合成語です。

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