トヨタ・スプリンタートレノ

スプリンタートレノ（SPRINTER TRUENO）

スプリンタートレノは、トヨタがかつて販売していたスポーティな小型クーペであり、そのスタイリッシュなデザインと高性能が魅力です。姉妹車のカローラレビンと共に、数世代に渡って進化を遂げ、今でも多くのファンに愛されています。以下に、各世代の特徴や概要を詳述します。

初代 TE27型（1972年 - 1974年）

1972年3月に登場した初代スプリンタートレノは、トヨタ・スプリンタークーペ「SL」「SR」のスポーティなバージョンです。搭載されたのはセリカ1600GTと同じ2T-G型1.6L DOHCエンジンで、優れたパフォーマンスを誇ります。このモデルはオーバーフェンダーを装備した唯一のトヨタ車であり、魅力的な外観も特徴です。また、1973年のマイナーチェンジで追加された「トレノJ」には、トルク特性を重視した2T-B型エンジンが搭載されました。

2代目 TE47型（1974年 - 1975年）

1974年4月にフルモデルチェンジされ、スプリンターはE40型に分かれ、トレノはTE47型となりました。このモデルはレビンとのボディ形状の違いがあった唯一のケースで、特にGTグレードは豪華な装備が施されました。しかし、排出ガス規制の影響で、1975年に生産が中止され、短命に終わりました。

2代目 TE61型（1977年 - 1978年）

1977年に再登場したトレノは、電子制御燃料噴射（EFI）システムを採用し、昭和51年の排出ガス規制に適合しました。販売台数は53万9644台を記録しました。この世代では、ハードトップ仕様やリフトバックモデルも登場しました。

3代目 TE71型（1979年 - 1983年）

1979年のフルモデルチェンジで、TE71型として登場。最後の2T-G型エンジンを搭載し、ハッチバックスタイルのクーペとして登場します。このモデルはスポーツ性が向上し、さらにサンルーフや機械式LSDを標準装備した「S」グレードの登場など、様々な進化が見られました。

4代目 AE85/86型（1983年 - 1987年）

1983年に登場したAE86型、通称「ハチロク」は、今や伝説的な存在となっているモデルです。このモデルでは新型の4A-GE型エンジンが搭載され、リトラクタブル式ヘッドライトが特徴です。1984年にはマイナーチェンジが行われ、走行性能や内外装が一新されました。

5代目 AE91/92型（1987年 - 1991年）

1987年にFFレイアウトになり、2ドアノッチバッククーペとしてのみ販売されました。販売では大成功を収め、「黒のトレノが躍り出る」というキャッチコピーで市場に投入されました。エンジン性能も向上し、注目を集めました。

6代目 AE100/101型（1991年 - 1995年）

1991年にフルモデルチェンジされ、4A-GE型エンジンが進化を遂げました。また、GT APEXは1991年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、デザイン・性能ともに評価されました。

7代目 AE110/AE111型（1995年 - 2000年）

1995年に登場し、ボディ軽量化が図られ、最終モデルとしての役割を持ちます。このモデルも多くのファンの支持を受け、2000年の販売終了まで人気を博しました。

車名の由来

「トレノ」はスペイン語で「雷鳴」を意味する「Trueno」から名付けられました。トヨタの豊田英二氏は、伝統的な英語名から脱却したいと考え、この名前を選びました。トレノは長年にわたるトヨタ車の中でも特に記憶に残る存在となっています。

スプリンタートレノは、トヨタの文化と自動車業界において特別な位置を占めており、今でも多くの支持者に囲まれています。

もう一度検索