トヨタ・センチュリーロイヤル

センチュリーロイヤルの概要

センチュリーロイヤル（CENTURY ROYAL）は、トヨタ自動車が2006年から2008年の間に製作し、宮内庁に納入したセダン型御料車およびワゴン型車両です。これは格式高い公式行事で使用される特別な車両であり、通常の公式行事や私的な外出には一般向けの「トヨタ・センチュリー」が利用されるため、区別がされています。

この車両が導入された背景には、1967年から御料車として使用されてきた「日産・プリンスロイヤル」の老朽化があります。そのため、宮内庁は新たな御料車の供給先としてトヨタ自動車にアプローチしました。2005年にトヨタの2代目センチュリーをベースにした特別生産車が採用され、「センチュリーロイヤル」の名称が定められました。車両開発コードネームは「大きな車」であり、元のセンチュリーからは多くの改良が施されました。

使用状況

センチュリーロイヤルは、国会開会式や全国戦没者追悼式、国賓接遇など、特に重要な公式行事においてのみ使用されます。このため、一般には販売されておらず、宮内庁によって厳重に管理されています。最初の納入は2006年7月7日から始まり、最初の使用はその年の9月28日の国会開会式でした。当初は8月15日の全国戦没者追悼式からの使用が計画されていましたが、納入の遅れにより変更されました。

最初に予定された台数は5台でしたが、国の財政面を考慮し、最終的には4台が納入されました。ナンバープレートは「皇1」から「皇5」まであり、「皇2」は特別仕様の寝台車にあたります。価格は通常仕様の「皇1」が約5,250万円、防弾装甲が施された特装車の「皇3」と「皇5」は約9,450万円です。

車両の特性

センチュリーロイヤルはリムジンスタイルの8人乗りで全長は6,155 mm、幅は2,050 mm、高さは1,780 mm、車両重量は2,920 kgとなっています。改良点としては、窓には強化防弾ガラスが採用され、観音開きの側扉が設けられています。後部座席からは天皇や皇族の姿が明確に見えるよう、窓が拡大される工夫がされています。内装は和紙や毛織物などの高級素材が使われ、天井には和紙、乗降ステップには御影石が採用されています。

室内は乗降を考慮して低床設計がなされており、革張りの前席と布張りの後部座席が伝統的なスタイルを保持しています。この車両には三種の神器を安置するための台座も設置されています。基本的な駆動系の詳細は公開されておらず、特筆すべき変更点は不明です。

各モデル概要

センチュリーロイヤルには複数のモデルがあります。「皇1」は標準装備のモデルであり、天皇や皇族が乗車します。「皇2」は寝台車仕様であり、特に儀式的な移動に使用されます。「皇3」と「皇5」は国賓接遇用の特装車となっており、防弾性能が強化されています。

車名の「センチュリー」は、ラテン語の「ケントゥリア」に由来し、「100年」や「世紀」を意味します。また、「ロイヤル」は「王の」や「王室の」といった意味を持ち、御料車としての威厳を表しています。先代の「プリンスロイヤル」と同様に、御料車を象徴する名前の選定がなされています。

要するに、センチュリーロイヤルは日本の皇室が使用する特別な車両であり、そのデザインと性能は公的な儀礼の重要性を反映したものとなっています。

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