トヨタ・ナディア

トヨタ・ナディア（NADIA）

トヨタ自動車が1998年から2003年まで製造・販売していた、トールワゴン型の乗用車です。

概要

初代イプサムと共通のプラットフォームを共有し、カローラ店専売車種として販売されていました。カムリV40系の生産終了後の代替車としての役割と、カローラスパシオの2列シート仕様廃止後のニーズに応えるという、2つの役割を担っていました。

全長はイプサムよりも短いものの、ホイールベースは同一。3列シートを廃止し5人乗りに特化したことで、後席の足元空間はイプサムやガイアよりも広くなっています。前期型では、後席をフラットに格納することで広大なラゲッジスペースを作り出したり、前席を回転させて対座スタイルにするなど、多彩なシートアレンジが可能でした。

エクステリアは、2代目エスティマを彷彿とさせる丸みを帯びたワンモーションフォルムが特徴です。インテリアは、インパネ上部とセンターコンソールを専用設計とし、虚像投影式のデジタルセンターメーターを採用するなど、兄弟車とは異なる個性を演出していました。

エンジンは全車2,000cc。当初はポート噴射式の3S-FE型ハイメカツインカムエンジンに加え、2WD車には3S-FSE型直噴（D-4）エンジンが搭載されました。D-4エンジン搭載車は、リーンバーンとフレックスロックアップ機構を備えたSuperECTとの組み合わせにより、10・15モード燃費で14.2km/Lを達成。3S-FE型の11.8km/Lと比較して大幅な燃費向上を実現していました。

タイヤサイズは195/60R15と、イプサムの14インチからインチアップされています。また、フロントブレーキの大径化や、多人数乗車を考慮しない専用サスペンションの採用により、スポーティな乗り心地を実現していました。姉妹車のイプサムやガイアとは異なり、足踏み式パーキングブレーキを採用している点も特徴です。型式もイプサム/ガイアのXM系ではなく、XN系を名乗っていました。

モデル沿革

1998年8月24日: 販売開始（SXN10、SXN15）。
1998年10月26日: モデリスタ製のカスタマイズカー「アメリカンビレットバージョン」が登場。専用エアロパーツ装着により、全幅が1,715mmとなり3ナンバー登録に。専用色としてブラックメタリックを設定。
1999年6月: SUVスタイルの「type SU」を追加。オーバーフェンダー装着、専用設計のリアフェンダー、専用サスペンション、大径タイヤなどを装備。黒基調の専用内装を採用。ワイドボディのため3ナンバー登録（SXN10H、SXN15H）。
2001年4月23日: マイナーチェンジを実施。グレードを「X」、「S」、「L」の3種類に整理。2WD車には新世代D-4エンジンである1AZ-FSEエンジンを搭載。ヘッドランプ、テールランプのデザインを変更し、一部グレードにはディスチャージヘッドランプを装備。標準車はフロントグリル、フロントバンパーのデザインも変更。内装は、ステアリングのデザイン変更、メーターのアナログ化/オプティトロン化、全車オートエアコン化、エアコンパネルのデザイン変更、オーディオパネルのワイド2DIN化など、大幅な改良が施されました。Lグレードには運転席パワーシート、Sグレードにはベンチシートを採用。後席の背もたれを大型化し、座り心地を向上。
2002年7月30日: 一部改良。4WD車にもD-4エンジン（1AZ-FSE）を搭載。これにより、エンジンは駆動方式問わず1AZ-FSE型に統一（4WD車はそれぞれACN15、ACN15H）。
2003年8月: 販売終了。後継車は2代目カローラスパシオとなるものの、カローラ店扱いのCセグメントトールワゴンはカローラルミオン登場までしばらく途絶えることとなりました。

車名の由来

ロシア語で「希望」を意味する「надежда（ナディージタ）」に由来。また、女性の名前としても用いられます。

プラットフォームを共有する車種

トヨタ・イプサム（初代）
トヨタ・ガイア
トヨタ・コロナ
トヨタ・カリーナ
* トヨタ・カルディナ

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