トラベラー (軍馬)

トラベラー：ロバート・E・リー将軍の愛馬

トラベラー（Traveller）は、アメリカ南北戦争において、アメリカ連合国（南軍）の司令官ロバート・E・リー将軍に愛された、非常に有名な軍馬です。1857年に生まれ、1871年にその生涯を閉じるまで、リー将軍の傍らで様々な戦場を駆け抜けました。

生い立ちと特徴

トラベラーは、1857年に南ヴァージニアで生まれました。当初は「ジェフ・デイビス」という名前で呼ばれていましたが、後にリー将軍によって「トラベラー（旅人）」と名付けられました。リー将軍が1861年に購入したときのトラベラーは、体高約163センチメートル、体重約500キログラムの堂々たる芦毛のサドルブレッド種でした。その体格だけでなく、賢さと強靭な体力も兼ね備えており、軍馬としての理想的な資質を備えていたと言われています。

南北戦争での活躍

トラベラーは、リー将軍と共に数々の戦いを経験しました。その優れた体力と従順さで、リー将軍の作戦遂行を支え、南軍兵士たちの士気を高める存在でもありました。戦場での勇敢な姿は、多くの人々に感銘を与え、その名は広く知れ渡ることとなりました。

リー将軍の葬儀とその後

南北戦争終結後、トラベラーはリー将軍と共に平穏な日々を送りました。1870年にリー将軍が亡くなった際には、その葬儀に参加し、多くの人々と共にリー将軍の死を悼みました。しかし、その翌年、トラベラーは破傷風により死亡し、ワシントン・アンド・リー大学に埋葬されました。現在も、その地で静かに眠っています。

血統

トラベラーの血統は明確に記録されており、母はフローラ、父はサラブレッドのグレイイーグルであることが分かっています。さらに、父方を遡ると、5代前にはエプソムダービー優勝馬であるダイオメドへと辿り着くことができます。この血統からも、トラベラーが優れた能力を受け継いでいたことが伺えます。

参考文献

トラベラーの生涯を描いた書籍として、リチャード・アダムスによる『Traveller』（1988年）があります。この作品は、トラベラー自身が自分の半生を語るという形式で物語が進められており、より深くトラベラーについて知ることができます。

Richard Adams, 『Traveller』, 1988, ISBN 0-440-20493-3

関連事項

オールドバルディー - 南北戦争における北部側の有名な軍馬。
* ロバート・E・リー像 - ロバート・E・リーと一緒に銅像になっている。

トラベラーは、単なる軍馬としてだけでなく、リー将軍の忠実なパートナーとして、その名を歴史に刻みました。その勇敢な姿は、今もなお多くの人々に語り継がれています。

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