トリッシュ・ストラタス

トリッシュ・ストラタス：WWEを彩ったディーヴァの伝説

トリッシュ・ストラタス（Trish Stratus）、本名パトリシア・アン・ストラティジアス。1975年12月18日生まれ、カナダ・オンタリオ州出身の、WWEを代表する女子プロレスラーです。163cm、57kgという体格ながら、その類まれな美貌と卓越したプロレス技術、そして巧みな演技力で観客を魅了しました。

華麗なるキャリアの幕開け：モデルからディーヴァへ

プロレスラーになる前はフィットネスモデルとして活躍していたトリッシュ。1999年にWWEと契約し、本格的にプロレスのトレーニングを開始します。2000年3月19日、テスト＆アルバートのタッグチーム「T＆A」のマネージャーとしてデビュー。妖艶で可愛らしいルックスを武器に、悪役（ヒール）ながら圧倒的な人気を獲得しました。

WWE女子王座戴冠とスターダムへの階段

デビュー後すぐにリタとの抗争に巻き込まれながらも、2001年にはWWE女子王座を初戴冠。さらに同年の「ベイブ・オブ・ザ・イヤー」にも輝き、一躍トップディーヴァの座に上り詰めます。この年は、WWEオーナー、ビンス・マクマホンの愛人というストーリーラインにも絡み、WWEの物語の中心人物として活躍しました。その後も、2003年まで3年連続で「ベイブ・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、人気は不動のものとなります。

レスラーとしての才能開花：名勝負の数々

2002年には、女子王座戦線の中心人物として確固たる地位を築きました。ライバルとして、かつてフィットネスモデル仲間だったビクトリアとの抗争を繰り広げるなど、レスラーとしての才能を爆発させます。2003年にはクリス・ジェリコ、クリスチャンらとの恋愛ストーリーにも関与。2004年にはヒールに転向し、クリスチャン、タイソン・トムコらとチームを組み、5度目の女子王座を獲得。6ヶ月以上に渡り、傲慢な王者として君臨しました。

驚異的な王座防衛期間とベビーターン

2005年のBacklashで負傷し長期休養に入りますが、王座を保持したままレッスルマニア21にも出場。9月にアシュリーの救援に入り、ベビーフェース（正義のレスラー）に転向し復活します。実に1年3ヶ月間に渡る王座防衛は、WWE女子王座史上に残る偉業でした。

引退：そして伝説へ

2006年には、トリッシュへの歪んだ愛情を抱くミッキー・ジェームスと抗争を繰り広げました。同年9月、交際していた男性との結婚を機に引退を発表。最後の試合となったアンフォーギヴェンでは、リタを破り7度目のWWE女子王座獲得。現役王者としてリングを去りました。引退試合で放ったフィニッシュホールドは、カナダ出身のレスリングレジェンド、ブレット・ハートの得意技「シャープシューター」でした。

引退後も続くトリッシュ・ストラタスの存在感

引退後も、WWEの様々なイベントに登場し、ファンを沸かせました。2011年には「タフイナフ」のトレーナーを務め、2013年にはWWE殿堂入りを果たします。殿堂入りセレモニーでは妊娠を発表し、同年9月に男児を出産。2018年にはRAW25周年記念やロイヤルランブルにも参加するなど、現役時代と変わらぬ輝きを放ち続けています。

トリッシュ・ストラタスの得意技

トリッシュは打撃技を主体としたラフファイトを得意としていました。特に、以下のような技は彼女の代名詞となっています。

ストラタスファクション: スリングショット式の変形ブルドッギング・ヘッドロック。
チックキック: ハイキック。独特のモーションが特徴。
ストラタスフィアー: コーナーポストを利用した変形フランケンシュタイナー。
マトリッシュ: クローズラインをブリッジで回避するムーブ。

トリッシュ・ストラタスは、その美貌と実力、そして類まれなカリスマ性で、WWEの歴史に大きな足跡を残した、真のレジェンドです。

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