トロント川

イタリア中部を潤すトロント川

トロント川は、イタリア中部に位置し、アドリア海へと流れ込む重要な河川です。全長115kmに及ぶこの川は、ラツィオ州、マルケ州、アブルッツォ州の3つの州を通過し、その流域に豊かな恵みをもたらしています。

源流と流れ

トロント川の源流は、ラツィオ州リエーティ県のラーガ山地に位置します。具体的には、モンテ・ゴルツァーノが北側の水源、カンポトスト湖が南側の水源となっています。この水源地域は、リエーティ県とテーラモ県、ラクイラ県（いずれもアブルッツォ州）との境界に近い場所にあります。

ラーガ山地から流れ出たトロント川は、まず北西方向へと進みます。途中、アマトリーチェやスカンダレッロ湖を経由し、アックーモリ付近でマルケ州のアスコリ・ピチェーノ県へと入ります。この地点から川は流れの向きを北東へと変え、アルクアータ・デル・トロント、アックアサンタ・テルメ、アスコリ・ピチェーノ、フォリニャーノといった地域を通過していきます。

下流域と河口

下流域に入ると、トロント川はアスコリ・ピチェーノ県（マルケ州）とテーラモ県（アブルッツォ州）の県境、州境として機能します。サンテジーディオ・アッラ・ヴィブラータ、カステル・ディ・ラーマ、スピネートリ、モンサンポーロ・デル・トロント、コロンネッラといった町を流れ、最終的にはマルティンシクーロとポルト・ダスコリ（サン・ベネデット・デル・トロント市）の間で、アドリア海へと注ぎ込みます。

トロント川は、その流域の自然環境や人々の生活に深く関わってきました。水源から河口までの様々な地形を流れ、地域社会の発展を支える重要な役割を果たしています。

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