リエーティ県

リエーティ県について

リエーティ県は、イタリア中部のラツィオ州に位置する県です。県都はリエーティで、首都ローマの北東に位置しています。県内には山岳地帯と平野が広がり、自然豊かな景観が特徴です。人口は約15万人と、中部イタリアでは最も少ない県です。

地理

リエーティ県は、ラツィオ州の北部に位置し、北西はウンブリア州、北東はマルケ州、東はアブルッツォ州と接しています。県都リエーティは、テルニから南西に約25km、ラクイラから西に約45km、ローマから北東に約65kmの距離にあります。県内には、ヴェリーノ川をはじめとする河川が流れ、山岳地帯ではハイキングやアウトドア活動が楽しめます。

隣接する県は以下の通りです。

アスコリ・ピチェーノ県 （マルケ州） - 北東
テーラモ県 （アブルッツォ州） - 東
ラクイラ県 （アブルッツォ州） - 南東
ローマ県 - 南
ヴィテルボ県 - 西
ペルージャ県（ウンブリア州） - 北西
テルニ県 （ウンブリア州） - 北西

主要な都市としては、県都リエーティのほか、ファーラ・イン・サビーナ（PASSO CORESE）、チッタドゥカーレ（SANTA RUFINA）、ポッジョ・ミルテート、アントロドーコなどが挙げられます。

歴史

リエーティ県は、1927年にローマ県リエーティ郡とラクイラ・デッリ・アブルッツォ県チッタドゥカーレ郡を統合して誕生しました。これは、当時のファシスト政権による地方区画再編の一環であり、古代サビーナ地方の地域的な一体性を回復させる試みでした。

歴史的に見ると、リエーティとチッタドゥカーレは、それぞれ教皇領と両シチリア王国領に属しており、イタリア統一後も異なる県に所属していました。1923年にリエーティ郡がローマ県に移管された後、1927年に両郡が統合され、リエーティ県が誕生しました。

しかし、リエーティ県は、ウンブリア州やアブルッツォ州との結びつきが強く、内部に境界を抱えた状態での統合となりました。そのため、県のモットーである「サビニの民はひとつ」にも、その統合への強い願いが込められています。

リエーティ県の設立に対しては、ラクイラ側から反対意見が多く寄せられ、第二次世界大戦後には、ファシスト政権下で導入された地方区分の存続が問題となりました。アブルッツォ州に旧チッタドゥカーレ郡の復帰を要求するなど、度々分離の動きがありました。

近年では、経済発展の不均衡が問題視されており、山岳部では人口流出やインフラ整備の遅れ、失業といった問題を抱えています。一方で、ローマに近い低地サビーナ地方では、経済発展や人口増加が見られ、首都圏の衛星都市のような様相を呈しています。地域間の経済格差は、リエーティ県の統合を揺るがす要因となっています。

行政区画

リエーティ県には73のコムーネ（基礎自治体）が属しています。主要なコムーネとしては、以下のものがあります（人口は2024年1月1日現在）。

リエーティ: 46,168人
ファーラ・イン・サビーナ: 13,778人
チッタドゥカーレ: 6,734人
ポッジョ・ミルテート: 6,160人
アントロドーコ: 4,599人

まとめ

リエーティ県は、歴史的な背景と地理的な要因が複雑に絡み合い、独特の文化と景観を形成しています。経済発展の不均衡や人口減少といった課題を抱えながらも、地域のアイデンティティを守り続けています。この地域を訪れる際には、その歴史と文化に触れ、自然豊かな風景を満喫してください。

関連情報

イタリアの県の一覧
リエーティ県公式サイト([イタリア]]語):[https://www.provincia.rieti.it/

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