アスコリ・ピチェーノ

アスコリ・ピチェーノ：歴史と自然が息づくイタリアの古都

アスコリ・ピチェーノは、イタリア共和国マルケ州に位置するコムーネであり、アスコリ・ピチェーノ県の県都です。人口は約46,000人。この都市は、その長い歴史と美しい景観で知られています。

名称の由来

アスコリ・ピチェーノは、ラテン語で「アスクルム」と呼ばれていました。歴史上、アスクルムという名の都市は2つ存在し、どちらも古戦場として知られています。一つがこのアスコリ・ピチェーノであり、紀元前89年には同盟市戦争におけるアスクルムの戦いの舞台となりました。もう一つは、現在のアスコリ・サトリアーノです。

地理

アスコリ・ピチェーノは、アスコリ・ピチェーノ県の中部に位置し、トロント川流域にあります。テーラモから北北西へ24km、アドリア海沿岸のポルト・ダスコリから西南西へ27km、州都アンコーナから南へ85kmの距離にあります。古代のサラリア街道沿いに位置し、ローマとアドリア海を結ぶ重要な拠点でした。

町の三方は山に囲まれており、市域の周縁にはグラン・サッソ・エ・モンティ・デッラ・ラガ国立公園とモンティ・シビッリーニ国立公園の2つの国立自然公園が指定されています。豊かな自然に囲まれた環境も魅力です。

歴史

アスコリ・ピチェーノは、古代イタリック人のピケニ族によって建設されました。その後、ローマ人によってサラリア街道が建設され、塩の道として利用されました。紀元前268年にはローマから名目上独立した都市となりましたが、紀元前91年にローマに反抗、紀元前89年にグナエウス・ポンペイウス・ストラボとの戦いに敗れ、占領・破壊されました。その後、住民はローマの市民権を得て、都市は発展を遂げました。

中世には、東ゴート人やランゴバルド人による破壊を受けましたが、その後スポレート公国の支配を経て、司教が都市に対する影響力を強めました。1189年には共和主義者によるコムーネが設立されましたが、内部紛争が絶えず、外来の独裁者による支配を招きました。14世紀にはガレオット1世・マラテスタやフランチェスコ・スフォルツァが支配者となり、1482年以降は教皇の宗主権に服属しました。1860年のイタリア統一に際し、イタリア王国に併合されました。

分離集落

アスコリ・ピチェーノには、数多くの分離集落（フラツィオーネ）があります。主なものとして、Bivio Giustimana, Borgo Faiano, Campolungo, Caprignano, Carpineto, Casalena, Casamurana, Case Schiavi, Castel Trosinoなどがあります。

スポーツ

サッカークラブチーム、アスコリ・カルチョ1898 FCが本拠地を置いています。ホームグラウンドはスタディオ・シーノ・エ・リーリョ・デル・ドゥーカです。

交通

アスコリ・ピチェーノには、RA11高速道路や国道SS4が通っており、鉄道はアスコリ・ピチェーノ＝サン・ベネデット・デル・トロント線が利用できます。

姉妹都市

アスコリ・ピチェーノは、フランスのマシー、ドイツのトリーア、スロヴァキアのバンスカー・ビストリツァと姉妹都市提携を結んでいます。

アスコリ・ピチェーノは、その豊かな歴史と美しい自然、そして温暖な気候が魅力の都市です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

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