トンイル号

トンイル号の歴史と変遷

トンイル号（トンイルごう）は、かつて韓国鉄道庁（KORAILの前身）によって運行されていた列車種別です。その名称である「トンイル」は「統一」を意味し、この愛称には長い歴史があります。特に1955年、この名称は朝鮮戦争の影響を受けて優等列車の名称として使われ始めました。

列車の分類と進化

1963年には鉄道庁が発足し、この時点では「急行」という分類があり、さらに料金に応じてトゥックプ（特急）、ポグプ（普急）、チュングプ（準急）の3つに分かれていました。1969年にはクァングァン号（観光号、現セマウル号）が登場し、この際にチュングプがポグプに統一されました。その後、1977年に優等列車であるウドン（現ムグンファ号）が新たに登場しましたが、1981年にはポグプも特急に格上げされ、1983年にはトンイル号として統一されるに至りました。

1985年からは新しい客車の導入が開始され、これには電気冷暖房化や固定窓化などの改良が行われました。トンイル号は長距離列車として運行されることが多かったものの、都市近郊列車としても利用されていました。例えば、釜山広域市では、亀浦駅から海雲台駅の間を運行した「東西通勤列車」がその一例です。この列車は7両編成で平日限定で1日4往復運行されていました。

車両の特性と運行方法

トンイル号の客車は1963年から1981年にかけて導入されたもので、一部にはムグンファ号からの格下げ車両もありました。これにより、トンイル号では小窓の車両がほとんどを占めており、カラーリングも白地に緑と黄色の帯が施されていました。1997年以降は、9501系の気動車（ディーゼル動車）による運行も開始されましたが、基本的には客車による運行が主でした。

トンイル号は2004年4月1日のKTX開業前日の3月31日に全て廃止され、長距離列車はムグンファ号に格上げされたり、都市近郊列車は「通勤列車」として新たに設定されることとなりました。

車両の詳細

気動車運転は1985年から始まりましたが、その際、日本製の気動車の座席を優等列車用に改造した車両が使用されることがありました。この車両は501型（後に9501型）として知られ、9両編成が用意されました。しかし、車両の劣化に伴い、最終的には1994年に最後の9505型が廃止されました。

その後、1996年からはCDC（Commuter Diesel Car）9501系が正式に導入され、再び都市通勤列車として運行されましたが、2004年には「通勤列車」としての路線に移行しています。電車についても1999年頃からはムグンファ号から格下げされた9900系が採用されていましたが、2001年に運行が終了しました。

日本における評価

このように、トンイル号は韓国において急行や普通列車に近い種別として扱われることが多いです。日本の旅行ガイドや時刻表でも、トンイル号は「急行」と表記されることもありますが、地域によっては普通列車とみなされることもあり、明確な位置づけが難しい面もあります。日本でも取り上げられるなど、韓国鉄道の象徴的な列車の一つといえるでしょう。

結論

トンイル号は、韓国の鉄道における重要な歴史的役割を果たしてきた列車であり、その変遷は韓国の交通ムーブメントの一端を担っていました。今後、鉄道の発展とともに過去の名残を留めながら、新たな交通機関としての進化を続けていくことでしょう。

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