ドクウツギ科

ドクウツギ科（Coriariaceae）は、双子葉植物に属する科であり、ドクウツギ属（Coriaria）のみで構成されています。この科には約30種が存在し、いずれも木本であるという特徴を持っています。

特徴

葉は対生または輪生し、花は両性または単性で、放射相称です。萼と花弁はそれぞれ5枚で、緑色をしており目立ちません。雄蕊は10本、雌蕊は5本で、それぞれ離生しています。花弁は果実を包み込み、液果状に発達し、赤色や黒色などに熟します。

多くのドクウツギ科の植物は猛毒を含んでいますが、一部の種（例えば、C. terminalis）は食用可能です。これらの植物は、地中海周辺、アジア中・東部、ニューギニア、ニュージーランドなどの太平洋諸島、そして中南米の温帯・熱帯地域に隔離分布しています。これは、前川文夫氏が提唱する「古赤道分布」の典型例とされています。日本にはドクウツギ（Coriaria japonica）1種のみが自生しています。

分類

ドクウツギ科は、離生心皮を持つなどの特徴から、クロンキスト体系ではキンポウゲ目に分類されていました。しかし、APG植物分類体系では、ウリ目に分類されています。この分類変更は、植物の系統関係に関する新たな知見に基づいています。

ドクウツギ科の植物は、その独特な形態と分布、そして毒性を持つという点で、植物学的に非常に興味深いグループです。

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