ドミートリー・ポジャールスキー

ドミートリー・ミハイロヴィチ・ポジャールスキー

ドミートリー・ミハイロヴィチ・ポジャールスキー（Дми́трий Миха́йлович Пожа́рский）は、1577年10月11日にロシアで生まれ、1642年4月30日に亡くなった著名な指導者です。彼は1611年から1612年にかけてポーランド・リトアニア共和国の侵攻に対抗し、ロシアの独立闘争において重要な役割を果たしました。彼の功績により、ロシアの最初のツァーリであるミハイル1世から「祖国の救世主」と称される名誉を受けました。

前半生の経歴

ポジャールスキーはスーズダリ近郊のスタロドゥーブ・ナ・クリャージメで、貴族の家に生まれました。彼の家名は「大火」という意味を持ち、これは代々の領地が15世紀に大火に遭ったことに由来しています。ポジャールスキーの母、マリア・フョードロヴナは、後にロシアを救った名将ミハイル・クトゥーゾフの母と同じ家系出身であり、彼の家族の背景は興味深いものがあります。

ポジャールスキーについては、ボリス・ゴドゥノフを選出した1598年のゼムスキー・ソボルに参加するまでは詳細な経歴は記録に残っていません。しかし、彼は1608年にはコロムナの防衛戦に参加し、1609年にはモスクワ包囲戦で重要な役割を果たすなど、次第に戦場での指導力を発揮していきました。

独立闘争に参加

ポーランド軍に対するロシアの民衆の怒りが高まる中、プロコピー・リアプノフが結成した第一義勇軍にポジャールスキーも参加しました。彼は重要な戦闘で負傷しましたが、その後も彼の指導力は強く求められました。1611年秋には、ニジニ・ノヴゴロドで第二義勇軍の指揮を執るように招かれ、商人のクジマ・ミーニンの支援を受けて義勇軍の指揮を開始しました。

彼はモスクワに向かう途中、ロストフで宗教的儀式を行ったり、昔の先祖の墓参りをするなどしてしばしば行動を遅らせる場面も見られました。それでもポジャールスキーは、義勇軍を率いてポーランド軍をモスクワから追い出すという大きな目標に向かって進軍を続けました。

モスクワの戦い

1612年8月、ポジャールスキーの義勇軍はモスクワの近くでポーランド軍の守備隊と接触し、8月18日からの数日間で激しい戦闘を繰り広げました。ポジャールスキーの指揮の下、ポーランド軍は次第に飢餓に苦しむことになり、最終的に降伏せざるを得ませんでした。この戦闘はロシアの独立を取り戻す上での重要な勝利でした。

戦後の活動

ポジャールスキーは、新しいツァーリが選任されるまでモスクワ公国を統治しました。彼の功績は高く評価され、動乱時代が終結する中、彼は再びいくつかの外交的役割や軍事的役割を担うことになりました。それでも、ポジャールスキーは反乱の出現など、常に新たな課題に直面しました。

彼は1615年にリソフチツィと戦い、更新された指揮体制のもとでも依然として影響力のある存在であり続けました。また、ポジャールスキーは新たな防衛体制を築く努力を続けましたが、スモレンスク戦争での役割の小ささに苦しみました。平和が回復すると、彼は様々な栄誉を受け、国家の重要な役職を担うことができました。

遺産

ポジャールスキー家は名声を持ったものの、1672年には断絶しました。しかし、彼の記憶はロマノフ朝によってしっかりと受け継がれました。彼の業績を称賛するために赤の広場には顕彰碑が建立されるなど、その名は今日まで広く知られています。また、近年ではサッカーの試合でも彼の名を冠した横断幕が掲げられ、ポジャールスキーの存在感は今でも強く根付いています。

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