ドラグーン装甲車

ドラグーン装甲車

ドラグーン装甲車は、アメリカ合衆国のArrowpointe社（現在のジェネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ）が1980年代に設計した4輪式装甲車です。M113装甲兵員輸送車やM809 5tトラックからいくつかの部品を流用しており、V-100/V-150 コマンドウによく似た外見を持つものの、やや大型です。

開発の経緯

1960年代末、アメリカ陸軍憲兵隊は、C-130 ハーキュリーズ輸送機で空輸可能な、輸送部隊の護衛および基地警備用の装甲車の開発を要求しました。これがドラグーン装甲車の開発のきっかけとなりました。

ドラグーン装甲車の車体は、防弾鋼板の溶接モノコック構造で構成されています。外観はV-100/V-150 コマンドウと類似しており、前部に操縦席、中央部分を兵員室として左右に大型ドア、後部右側にパワーパック、後部左側にアクセスドアを設けるという基本構造も共通しています。ただし、操縦席の部分が助手席部分に比べて大きく前に突き出ている点が外見上の特徴で、このペリスコープ部分はM113から流用されています。

派生型

ドラグーン装甲車には、様々な派生型が存在します。

1人乗り砲塔: M2 12.7mm重機関銃とM240 7.62mm機関銃、またはM2 12.7mm重機関銃とMk.19 40mm自動擲弾銃を搭載
2人乗り砲塔: M242 25mm チェーンガンまたはKBA 25mm機関砲を搭載
コッカリル 90mm低圧砲搭載型
無反動砲搭載の戦車駆逐車
指揮通信車
電子戦車両
警察用車両

採用国

ドラグーン装甲車は、以下の国で採用されています。

アメリカ合衆国: 海軍の核兵器関連施設警備部隊や、陸軍の新型装備のテストベッド車両として運用
タイ
トルコ: ジャンダルマが60両を保有
ベネズエラ: 陸軍が137両を保有

登場作品

ドラグーン装甲車は、以下の映画に登場します。

『ロボコップ2』: オムニ社警備隊のドラグーン装甲車（非武装）をアン・ルイス巡査が奪い、ロボコップ2号に体当たりするシーンで使用されました。
『ロボコップ3』: リハッブ隊が90mm砲を装備したドラグーン装甲車を使用し、デトロイト市民と警官隊に対して砲撃を行うシーンが登場します。

関連項目

装輪装甲車
偵察戦闘車
装甲兵員輸送車
コマンドウ
M1117装甲警備車
ストライカー装甲車: ジェネラルダイナミクス・ランドシステムズが開発製造しアメリカ陸軍が採用する8輪装甲車。当初から数多くの派生型が展開されています。

外部リンク

www.armyrecognition.com（英語：写真付き）

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