ドワイト・エバンス

ドワイト・マイケル・エヴァンス

ドワイト・マイケル・エヴァンス（Dwight Michael Evans）は、1951年11月3日にカリフォルニア州サンタモニカで誕生した元プロ野球選手です。彼は主に外野手として、特にボストン・レッドソックスでの活躍が知られています。愛称は「Dewey」です。

選手としてのキャリア

エヴァンスは1969年に行われたメジャーリーグベースボール（MLB）のドラフトでボストン・レッドソックスから5巡目（全体107位）で指名され、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。1年半のマイナーリーグでの経験を経て、1972年の終盤にメジャーリーグデビューを果たします。デビュー戦ではルイス・ティアントの素晴らしいピッチングを受け、チームはインディアンスに10-0で勝利しました。初出場の試合では、右翼手として起用されて以来、エヴァンスはレッドソックスの正右翼手として定着しました。

1973年のシーズンでは119試合に出場し、打率.223、本塁打10本、打点32を記録。これを皮切りに、エヴァンスは成績を徐々に向上させていきます。特に守備力が高く、広いフェンウェイ・パークにおいてはその強肩と確実な守備で評価を得ました。彼は通算で8度のゴールドグラブ賞を受賞し、1970年代後半には同じ外野手であるジム・ライスやフレッド・リンと共にメジャーリーグでも屈指の外野陣と称賛される存在でした。

1980年代に入ると、リンが移籍した後のレッドソックスの外野陣はトニー・アーマスが中堅手に配されられ、引き続きリーグ最高峰の布陣を維持しました。1981年に発生した選手ストライキによってシーズンが短縮されたにもかかわらず、エヴァンスは22本塁打を放ち、アメリカンリーグの本塁打王に輝く快挙を成し遂げました。さらに、その年にはシルバースラッガー賞も受賞し、その実力を証明しました。

打撃スタイルと記録

エヴァンスは選球眼にも優れており、1981年には85四球でリーグで最も四球を選びました。1985年には114四球で同様に1位を記録。1984年には出塁率.402、121得点でこれまたリーグ1位を記録し、キャリアの中でも数々の記録を打ち立てています。特筆すべきは、1984年6月28日に達成したサイクル安打です。これはチームメイトやファンにとって記憶に残る瞬間でした。

1986年には開幕戦でジャック・モリスから本塁打を放ち、その試合がメジャーリーグの全試合の初球本塁打となる歴史的な一歩となりました。

が、35歳となった1987年途中からは一塁手としての起用が増え始め、その年は自己最高の打率.305、34本塁打、123打点を記録しました。1990年に入ると、彼の成績は徐々に下降し、ついにはボルチモア・オリオールズに移籍しましたが、結果は芳しくなく、現役を引退することとなります。

引退後と私生活

現役時代のエヴァンスは「The Man of Thousand Stances」と称されるほど、打撃スタンスを多様に変える選手でした。背番号はレッドソックス時代の24が広く知られていますが、2002年のコーチ時代は25を着用しました。特に私生活において、彼は息子が難病を抱えていたため、研究のために多大な寄付を行っています。

エヴァンスの野球キャリアは彼の希少な才能と献身を証明するものであり、今後も多くのファンに愛され続ける存在であり続けるでしょう。

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