ナイラ (オーバーフランケン)

ドイツ・バイエルン州のナイラ：歴史と自然が織りなす街

ナイラは、ドイツ連邦共和国バイエルン州オーバーフランケン行政管区ホーフ郡に属する都市です。ホーフ市の北約18km、バイエルン州最北部のフランケンヴァルトの中に位置し、美しい自然に囲まれています。1454年に都市権を得て、1972年まではナイラ郡の郡庁所在地でした。1993年には中級中心都市に指定されています。

地理

ナイラは、フランケンヴァルト東部のゼルビッツ川沿いに位置しています。ナイラ駅の標高は海抜501mで、市内で最も高い場所はデプラベルクへの登山道沿い、デプラシュテッケン付近の710m、最も低い場所はヘレンタールの入り口にあたるゼルビッツ川付近の488mです。

市の構成

ナイラ市は、公式には37の地区から構成されており、主要な集落は以下の6つの地区に分類されます。

ナイラ地区（中心部）
クルミッツ地区（南西）
リッペルツグリュン地区（南西）
マーレスロイト地区（南西）
マルクスグリュン地区（北、ゼルビッツ渓谷）
ヘレ地区（北、ゼルビッツ渓谷）

土地利用

ナイラ市の総面積は37.05km2で、その内訳は以下の通りです。

農業耕作地: 19.22km2
公共交通用地: 1.69km2
森林: 13.7km2
水域: 0.22km2
公園・緑地: 0.1km2
未開墾工業用地: 0.065km2

隣接する市町村

ナイラは、以下の市町村と隣接しています。

ゼルビッツ
シャウエンシュタイン
シュヴァルツェンバッハ・アム・ヴァルト
バート・シュテーベン
リヒテンベルク
イシガウ
ベルク

歴史

古代

ナイラ周辺地域には、ケルト人が最初に住み着いたと考えられています。その根拠として、ケムルスやマルレスロイトといった地名がケルト起源の言葉である可能性が指摘されています。また、ナイラ中心部付近から発見された陶片や鉄の鉱滓は、紀元600年から900年頃に鉄を生産していた人々が居住していたことを示唆しています。紀元850年から1000年頃にはスラヴ人も居住したと考えられていますが、その期間は短かったと考えられています。

中世

ゲルマン民族がこの地域に入植したのは1000年頃と推定されます。1343年の文献に初めて「Dorf zu Neulins」として記録され、村として存在していたことがわかります。1398年には「droff zum Newlein」という記述で登場しています。1454年、ブランデンブルク＝クルムバッハ辺境伯ヨハン4世によって都市権を授けられ、現在の紋章が制定されました。紋章に描かれている野人は、鉱業の象徴とされています。

鉱業の発達

1471年に鉱山管理所が設けられ、ナイラは鉱業都市として発展を始めました。15世紀には鉱業と冶金業が最盛期を迎えましたが、18世紀には銅鉱と鉄鉱が掘り尽くされました。1632年から1634年にかけて三十年戦争の戦場となり、甚大な被害を受けましたが、1683年には鉱山監督局が設立され、復興が進められました。

近代

1792年にはプロイセン王国領となりましたが、1810年からはバイエルン王国に属しました。1818年には市長、市参事会、自治委員会が組織されました。1859年に鉱山が閉鎖される一方、1862年には大火災に見舞われるなど、様々な出来事がありました。しかし、1871年には教会が再建され、1887年にはホーフとマルクスグリュンを結ぶ鉄道路線が開通し、工業化が進みました。繊維産業や靴製造が発展し、20世紀初頭には鉄道網が拡充されました。

二つの世界大戦

第一次世界大戦では130人の死者・行方不明者を出し、第二次世界大戦では200人の死者とほぼ同数の行方不明者を出しました。1945年4月14日にアメリカ軍によって占領され、その後アメリカ軍の駐屯地となりました。

第二次世界大戦後

東西ドイツ国境が引かれると、テューリンゲンへの重要な交易路が遮断されましたが、ナイラの経済は急速に回復しました。特に工業部門が発展し、1966年には連邦空軍の施設やアメリカ軍との共同国境警備隊が組織されました。1989年の東西ドイツ国境開放後は、テューリンゲンからの買い物客が増えましたが、1990年代に入ると経済は下り坂となりました。繊維企業や鉱山関連施設が閉鎖され、鉄道貨物輸送も廃止されました。

市名の由来

ナイラの市名の由来については、多くの学者が研究していますが、いまだに解明されていません。古い村の名前には多くのバリエーションがあり、様々な説が提唱されています。「卵形の場所」「新しい小さな居住地」「新しい森の居住地」という解釈や、スラヴ語起源説などが存在します。

行政

市議会

ナイラの市議会は20議席で構成されています。

市長

現在の市長は以下の通りです。

第1市長: フランク・シュトゥムプ (Freie Wählergemeinschaft)
第2市長: レナーテ・マクイネス (CSU)
第3市長: フリートホルト・シュミット (SPD)

経済

かつては繊維産業が盛んでしたが、現在は小売業と運輸業が経済を支えています。また、ビール醸造も盛んで、市内には3つの醸造所があります。衰退する繊維産業の需要を、運輸業、サービス業、小売業、機械製造業やプラスチック加工業がカバーしており、周辺地域と比較すると経済状況は良好です。

主な企業

Spedition Bischoff
LIBA Maschinenfabrik (繊維機械製造)
Ontec Automatisierungstechnik
TLS - Transport Logistik Systeme (運輸業、路線バス運営)
Rehau AG+Co. - Werk Marlesreuth (プラスチック加工)
Thierron Fassadensysteme

人口推移

ナイラの人口推移については、資料が示す通りです。

交通

道路

連邦道9号線と173号線が近くを通り、州道や郡道が周辺の都市と結んでいます。

鉄道

ホーフ - バート・シュテーベン線がナイラを通っており、かつてはテューリンゲンへの路線も存在しましたが、現在は廃線となっています。

レクリエーションと文化

ナイラ市内

ルーデルバッハタールでは春と秋に市が開催され、ヘレンタールでは伝統的な卵転がしが行われます。ミニゴルフ場、屋外温水プール、スケートパーク、公営ミニ鉄道などのレジャー施設もあります。また、フォーラム・ナイラが主催するコンサートや展覧会なども開催されます。

ナイラ近郊

近くには温泉地バート・シュテーベンやスキー場もあります。フランケンヴェクという遊歩道も整備されています。

スポーツ

FSVナイラをはじめ、多くのスポーツクラブがあります。卓球、テニス、空手、キックボクシング、サッカー、ハンドボール、カンフー、モータースポーツ、ボウリング、スポーツ射撃、弓、ダーツ、陸上競技、トライアスロンなど、様々なスポーツを楽しむことができます。

宗教

ルター派の教区教会、ローマカトリックの教会、エホバの証人の集会所、メソジスト教会、新使徒教会などがあります。また、キリスト教青年会の施設や教団なども存在します。ナイラはバイエルンのルター派教会の教区監督の所在地であり、カトリックの首席司祭の所在地でもあります。

人物

出身者

ハンス＝ペーター・フリードリヒ (政治家)
ヘルゲ・リッター (医師、数学者)
ラインハルト・フェルトラップ (写真家)

参考文献

Willi & Reinhard Feldrapp: Naila - damals und heute, 2005, Atelier Feldrapp
Sabine Raithel / Reinhard Feldrapp: Frankenwald, 1997, Verlag Fränkischer Tag, ISBN 3-928648-30-6
Reinhard Feldrapp: Frankenwald mit Umgebung, 1991, Wir-Verlag Walter Weller ISBN 3-924492-57-3
Friedrich Matthaei: Im Osten, 1987, Oberfränkische Verlagsanstalt Hof
Hans Knopf / Reinhard Feldrapp: Naila, 1986, Oberfränkische Verlagsanstalt Hof ISBN 3-921615-71-2

外部リンク

紋章について
Denkmalliste von Naila des Bayerischen Landesamtes für Denkmalpflege
Zeitungsartikel Aus der Geschichte der Ozünder-Stadt
Naalicher Ozünderweg, Beschreibung
Ballonflucht - detaillierte Beschreibung
Ballonflucht - Informationen zum Film "Night Crossing" von der IMDB

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