ナポリ東洋大学

ナポリ東洋大学の紹介

ナポリ東洋大学（Università degli Studi di Napoli "L'Orientale"、略称UNIOR）は、イタリアのカンパニア州、ナポリに位置する大学です。この大学は1732年に創立され、欧州における東洋学の研究と教育の先駆けとして高い評価を受けています。

大学の歴史

ナポリ東洋大学の歴史は、17世紀中頃にさかのぼります。この時期、満州民族が中国に清王朝を樹立し、西洋との交流が活発化しました。この新しい時代は、キリスト教宣教師にとっても重要な機会でした。特に、宣教師マッテオ・リパは康熙帝の宮廷で勤務し、その間に中国語を学ぼうとする志を持つ若者たちを育成しました。リパは4人の中国人信者をナポリへ連れ帰り、1732年に教皇クレメンス12世によって設立された「中国学院」の基本的な構成員として活動しました。

この学院は初め、宣教師に中国語を教え、キリスト教の布教に寄与することを目的としていました。また、当初はインドと中国に精通する言語専門家の育成も行われていました。

1861年にはイタリアの統一が進む中で、中国学院は「王立アジア学院」という名称に変更され、ロシア語、ヒンドゥスターニー語、ペルシャ語などの言語コースが設定されることとなります。その後、この学院は世俗化を進め、より広範な東洋言語の学習機関へと発展していきました。現在ではアフリカの言語やヨーロッパの現代語も学べるようになり、50以上の言語が教授されています。

学部構成

ナポリ東洋大学にはいくつかの学部があります。各学部は異なった分野で高い専門性を持ち、広範な学問的探求を行っています。

1. 外国語学・外国文学部 では、多彩な言語と文学を扱い、世界各国の文化を学ぶことができます。
2. アラブ・イスラーム・地中海研究学部 では、アラブ地域やイスラーム文化、地中海周辺の社会について深く学ぶことができます。
3. 文学・哲学部 では、人文学の基礎を重視し、文学や哲学的思考を探求する機会を提供しています。
4. 政治学部 では、現代の政治情勢や政策を分析し、理解を深めるためのカリキュラムが構成されています。

このように、ナポリ東洋大学は言語や文化、政治に関して専門的な教育を提供する機関であり、国際的な視野を持った人材の育成を目指しています。

関連情報

この大学のウェブサイトには、各学部に関する詳細な情報や最新のニュースが掲載されており、入学者向けの情報も手に入れることができます。また、ナポリ東洋大学は国際的な学術交流の促進にも力を入れており、様々な国および地域との連携を深めています。イタリアにおける東洋学の中心地として、今後もさらなる発展が期待されています。

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