ニコライ・グミリョフ

ニコライ・ステパノヴィッチ・グミリョフは、1886年4月15日にロシアのクロンシュタットで生まれ、1921年8月25日に銃殺されたロシアの詩人です。彼は、20世紀初頭のロシア文学における重要な詩的潮流であったアクメイズムの指導者として知られています。その作品は、男性的で具体的、かつ明晰なイメージを持ち、異国情緒あふれる独特な世界観が特徴です。

生涯

グミリョフは、詩人アンナ・アフマートヴァと結婚し、二人の間には歴史家、民俗学者、人類学者として知られるレフ・グミリョフが生まれました。しかし、その結婚生活は平穏なものではなく、グミリョフはアフマートヴァに熱烈な求愛をするも拒絶され、絶望のあまり自殺未遂を起こすという波乱の幕開けでした。最終的には1910年に結婚に至りましたが、新婚旅行から帰国後すぐにアフマートヴァを置いてアフリカへ旅立つなど、彼の行動は常に予測不能でした。

大学時代にはペテルブルク大学やパリ大学で学び、新婚旅行で訪れたパリに長く滞在しました。1912年には息子レフが誕生しますが、グミリョフは再び妻子を置いてアフリカへ旅立ち、家庭は事実上崩壊してしまいます。

第一次世界大戦では義勇兵として参戦しましたが、1921年、反革命の陰謀に関与したとして銃殺され、その生涯を終えました。

作品の特徴

グミリョフの詩は、具体的なイメージを重視し、男性的で明晰な表現が特徴です。また、異国や冒険をテーマにしたものが多く、独特の世界観を構築しています。初期の作品には、ギムナジウムの校長であったアンネンスキーの影響が強く見られ、グミリョフ自身もその影響を認めており、アンネンスキーに捧げた詩も残っています。

主な作品

1905年: 詩集『征服者の道』
1908年: 詩集『ロマンチックな花々』
1910年: 詩集『真珠』
1918年: 詩集『篝火』
1920年: 詩劇『ゴンドラ』


グミリョフの作品は、その生涯と同様に波乱に満ち、強烈な個性を放っています。彼の詩は、ロシア文学におけるアクメイズムの重要な一翼を担い、後世の詩人たちに大きな影響を与えました。

関連事項

グミリョフ (小惑星)：彼の名前にちなんで名付けられた小惑星。
アクメイズム: グミリョフが指導した文学運動。
アンナ・アフマートヴァ: グミリョフの妻であり、同じく詩人。
* レフ・グミリョフ: グミリョフの息子であり、歴史家、民俗学者、人類学者。

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