ニッキ・パロット

ニッキ・パロット（Nicki Parrott、1966年10月12日 - ）は、オーストラリア出身のジャズ・ボーカリストであり、卓越したベース奏者としても知られています。

生い立ちと音楽への目覚め

幼少期から音楽に親しみ、4歳でピアノ、その後フルートを学びました。15歳の時にダブルベースを手にしたことが、彼女の音楽人生を大きく方向付けます。高校卒業後、シドニーのニューサウスウェールズ音楽院に進学し、在学中にはオーストラリア国内外の著名なミュージシャンたちと共演し、研鑽を積みました。

ニューヨークでの挑戦

1994年、パロットは音楽家としてのさらなる高みを目指し、ニューヨークへと拠点を移します。ルーファス・リードに師事しベースの腕を磨く傍ら、レイ・ブラウンやジョン・クレイトンからも指導を受けました。R&Bバンドでの活動や、ジョン・トロペイ、デヴィッド・スピノザとのトリオ結成を経て、2000年からはマンハッタンのクラブでレス・ポールのベーシストを務めるという幸運に恵まれました。レス・ポールに関するドキュメンタリー映画にも出演し、その才能を広く知らしめました。

多彩な音楽活動

2001年には、妹のリサ・パロットとの共同名義で初のアルバム『Awabakal Suite』をリリース。ブロードウェイの舞台にも立ち、『ジキル&ハイド』や『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』といったミュージカルに出演するなど、幅広い分野で活躍しています。2008年には初のソロ・アルバム『ムーン・リバー』を発表し、ジャズ・スタンダードの魅力を新たな形で表現しました。その後も、バート・バカラック、ナット・キング・コール、ドリス・デイ、ブロッサム・ディアリー、ペギー・リー、カーペンターズといった偉大なアーティストたちへのトリビュート・アルバムを制作し、高い評価を得ています。

受賞歴

最優秀ボーカル・アルバム、スウィング・ジャーナル
『ムーン・リバー』(2007年)
『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』(2008年)
ゴールデン・ディスク賞、スウィング・ジャーナル
『ブラック・コーヒー』(2010年)

ディスコグラフィー（一部）

ムーン・リバー (2007年)
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン (2009年)
ブラック・コーヒー (2010年)
君の瞳に恋してる (2011年)
さくらさくら (2012年)
サマータイム (2012年)
枯葉 (2012年)
思い出のパリ (2013年)
ザ・ルック・オブ・ラブ (2014年)
センチメンタル・ジャーニー (2015年)
イエスタディ・ワンス・モア〜カーペンターズ・ソング・ブック (2016年)
アンフォゲッタブル〜ナット・キング・コール・ソング・ブック (2017年)
遥かなる影〜バート・バカラック・ソング・ブック (2018年)
* ミスティ〜グレイト・レディース・オブ・ジャズに捧ぐ (2023年)

ニッキ・パロットは、その歌声とベース演奏を通して、ジャズの魅力を世界に伝えています。

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