ニューヨーク市地下鉄A系統

ニューヨーク市地下鉄A系統

ニューヨーク市地下鉄A系統は、マンハッタンのインウッド-207丁目駅から、クイーンズのオゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅、ファー・ロッカウェイ-モット・アベニュー駅、ロッカウェイ・パーク-ビーチ116丁目駅を結ぶ、Bディビジョンに属する運行系統です。ラインカラーはビビッドブルーで、系統名は8番街線急行として知られています。

概要

1932年に運行を開始したA系統は、マンハッタンの西側を南北に縦断し、ブルックリンを横断した後、クイーンズへと至ります。インウッド-207丁目駅からハイ・ストリート駅まではIND8番街線、ジェイ・ストリート-メトロテック駅からオゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅まではINDフルトン・ストリート線、アケダクト競馬場駅からファー・ロッカウェイ-モット・アベニュー駅とロッカウェイ・パーク-ビーチ116丁目駅へはINDロッカウェイ線を経由します。

歴史

1932年9月10日、市営の独立地下鉄網(IND)最初の路線としてIND8番街線が開業した際に、A系統はAA系統と共に登場しました。当初、A系統は207丁目駅～チェンバーズ・ストリート駅間を、AA系統は168丁目駅～ハドソン・ターミナル駅間を運行していました。A系統は当初から168丁目駅からキャナル・ストリート駅までの区間で急行運転を行い、複々線構造はその急行運転を考慮したものでした。

翌1933年2月1日にはクランベリー・ストリート・トンネルが開通し、A系統はイースト川を越えてブルックリンのジェイ・ストリート-ボロー・ホール駅まで延伸しました。同年3月20日にはブルックリン線が開業し、バーゲン・ストリート駅まで、同年10月7日にはチャーチ・アベニュー駅まで延伸されました。しかし、1936年4月9日にINDフルトン・ストリート線が開業すると、A系統は同線のロッカウェイ・アベニュー駅まで乗り入れることになり、ブルックリン線への乗り入れは廃止されました。

その後も路線網の拡大に伴い、運行区間は東へと延伸を続け、1946年にはユークリッド・アベニュー駅、1956年にはオゾン・パーク・レファーツ・ブールバード駅、1958年にはファー・ロッカウェイ-モット・アベニュー駅まで乗り入れ、現在の運行区間が確立されました。1999年には現在の運行体系が確立されました。

年表

1932年9月10日: 8番街線207丁目駅～チェンバーズ・ストリート駅間開業に合わせて運行開始。
1933年2月1日: チェンバーズ・ストリート駅からフルトン・ストリート線ジェイ・ストリート-ボロー・ホール駅まで延長。
1933年3月20日: ブルックリン線開業に合わせてバーゲン・ストリート駅まで延長。
1933年10月7日: ブルックリン線の延伸に合わせてチャーチ・アベニュー駅まで延長。
1936年4月9日: フルトン・ストリート線の開業に合わせてジェイ・ストリート-ボロー・ホール駅から同線ロッカウェイ・アベニュー駅まで延長。ジェイ・ストリート-ボロー・ホール駅～チャーチ・アベニュー駅間の運行は廃止。
1946年12月30日: フルトン・ストリート線の延伸に合わせてブロードウェイ-イースト・ニューヨーク駅（現在のブロードウェイ・ジャンクション駅）まで延長。
1948年11月28日: フルトン・ストリート線の延伸に合わせてユークリッド・アベニュー駅まで延長。
1949年10月29日: ラッシュ時に限り急行運転をブロードウェイ-イースト・ニューヨーク駅まで延長。同時に各駅停車としてE系統が運行開始。
1956年4月29日: フルトン・ストリート線の延伸に合わせて深夜を除く平日に限りオゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅まで延長。
1956年6月28日: ロッカウェイ線の開業に合わせてロッカウェイ・ブールバード駅～ロッカウェイ・パーク駅（現在のロッカウェイ・パーク-ビーチ116丁目駅）・ウェーブクレスト駅（現在のビーチ25丁目駅）まで延長。
1957年1月27日: 日中のロッカウェイ線への乗り入れを廃止。代替としてユークリッド・アベニュー駅～ウェーブクレスト駅間のシャトル便の運行を開始。
1958年1月16日: ロッカウェイ線の延伸に合わせてファー・ロッカウェイ-モット・アベニュー駅まで延長。
1958年9月8日: 日中の全電車がオゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅行きとなり、代替としてロッカウェイ方面へはユークリッド・アベニュー駅からロッカウェイ線の両終点までのシャトル運行が開始。
1959年9月: ブルックリンにおいて終日各駅停車となり、入れ替わりでE系統が急行運転を開始。
1963年: E系統がロッカウェイ線への乗り入れを開始したのに合わせ、A系統はユークリッド・アベニュー駅、またはオゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅への各駅停車となる。
1967年7月9日: A系統が平日日中と夕方、週末に限りロッカウェイ線への乗り入れを再開。
1972年: 平日のラッシュ時にもロッカウェイ線への乗り入れを再開。
1974年1月6日: フルトン・ストリート線内での急行運転を再開。入れ替わりでE系統が各駅停車に戻る。
1990年: 深夜の運行をオゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅行きからファー・ロッカウェイ-モット・アベニュー駅行きに変更。代替としてユークリッド・アベニュー駅～オゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅間のシャトル便を運行開始。
1999年: 夕方と週末にフルトン・ストリート線での急行運転を開始。
2005年1月23日: チェンバーズ・ストリート駅の信号機器室で火災が発生し、A系統とC系統が運転見合わせとなる。予備機材への交換で同年4月21日に通常運転を再開。
2012年10月: ハリケーン・サンディによりロッカウェイ線が大きな被害を受け、ロッカウェイ方面への電車はハワードビーチ-JFK空港駅で折り返しとなる。ロッカウェイ線内では臨時にH系統が運行。
2013年5月30日: ロッカウェイ線内での通常運転を再開。

運行形態

A系統は24時間運転を実施しており、日中はインウッド-207丁目駅～オゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅間と、インウッド-207丁目駅～ファー・ロッカウェイ-モット・アベニュー駅間の2つの系統が運行されています。時刻表上では、インウッド-207丁目駅行きが北行、ロッカウェイ方面の電車が南行として案内されています。ロッカウェイ・パーク-ビーチ116丁目駅発着の電車は、平日の朝ラッシュ時の北行、夕ラッシュ時の南行のみ運行されています。

北行、南行ともに路線の端から端まで通しでの運転が基本ですが、南行のロッカウェイ・パーク-ビーチ116丁目行は168丁目駅始発であり、深夜と早朝にのみユークリッド・アベニュー駅～オゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅間の区間便が存在します。

また、A系統は168丁目駅からユークリッド・アベニュー駅の間で急行運転を行い、それ以外の区間では各駅に停車します。急行運転区間には各駅停車のC系統が運行されており、通過駅へ向かう場合はこちらに乗り換えることになります。50丁目駅～キャナル・ストリート駅間ではE系統、145丁目駅～59丁目-コロンバス・サークル駅間では平日に限りB系統が各駅に停車するため、これらも利用できます。

深夜にはC系統が運休し、A系統が各駅に停車します。ただし、145丁目駅～59丁目-コロンバス・サークル駅間ではD系統が急行運転を終日行うため、乗り間違いに注意が必要です。

2014年2月現在のMTA公式の時刻表では、インウッド-207丁目駅からロッカウェイ・ブールバード駅までは日中8～10分間隔、平日の朝夕ラッシュ時には6～9分間隔で運行されています。ロッカウェイ・ブールバード駅ではオゾン・パーク方面とロッカウェイ方面の電車が分岐するため、同駅より東、及び南の区間では運行間隔が大きく開いています。

深夜は平日、土休日ともファー・ロッカウェイ-モット・アベニュー駅発着の電車のみが20分間隔で運行され、ロッカウェイ・ブールバード駅～オゾン・パーク-レファーツ・ブールバード駅間はユークリッド・アベニュー駅始終のシャトル列車のみの運行となります。

駅一覧

（駅の一覧は省略します）

注釈

（注釈は省略します）

関連項目

A列車で行こう (ジャズ) - 本路線をモチーフとしたジャズのスタンダードナンバー

外部リンク

MTA NYC トランジット - A系統（8番街線急行・英語）
MTA NYC トランジット - A系統の時間帯（英語） (PDF)

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