ニューヨーク市地下鉄L系統

ニューヨーク市地下鉄L系統

ニューヨーク市地下鉄L系統は、Bディビジョンに属する路線で、薄灰色のラインカラーが特徴です。BMTカナーシー線という単一の路線のみを走行し、他の系統との乗り入れがない点が特徴です。同じような特徴を持つ路線には7系統があります。

路線概要

L系統は、マンハッタンの14丁目付近の地下を東西に走り、その後ブルックリン北部を東に進み、南へと向きを変えるルートを走行します。マートル-ワイコフ・アベニュース駅とホールジー・ストリート駅は、マンハッタン区とクイーンズ区の境界に位置しています。

全区間で24時間運行を行っており、各駅停車のみの運転です。ただし、平日の朝ラッシュ時には、ブルックリン方面とマンハッタン方面の一部列車で区間運転があります。通常、平日昼間は5分間隔、土休日は4分間隔で運行されています。

近代化と更新工事

2000年以降、L系統の乗客数は劇的に増加しています。これは、沿線地域のジェントリフィケーション（都市の富裕化）が進行したことが大きな要因です。

2002年、メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ（MTA）は4億4300万ドルを投じて新型車両を導入しましたが、2006年には既に輸送能力が不足していました。MTAは、川崎重工業製のR143形車両を212両導入することで対応しようとしましたが、予想を上回る乗客数の増加に対応するため、アルストム製のR160A形車両68両にもCBTC（無線式列車制御システム）を搭載し、運行に投入しました。

BMTカナーシー線の線路は、CBTCを導入するために大規模な改修工事が行われました。これにより、運転士による手動運転から、車上コンピュータによる自動制御へと移行しました。この工事は2012年4月に完了しましたが、工事期間中は運行サービスの一部変更や駅施設の閉鎖を伴い、約2年の歳月を要しました。CBTCの導入により、列車間隔が短縮され、駅に設置された発車標（Countdown clock）の表示精度も向上しました。

2005年6月には、ワンマン運転（OPTO）システムが導入されました。しかし、同年7月に発生したロンドン同時爆破事件後の安全への懸念や、アメリカ交通労働者組合（TWU）によるロビー活動、MTAによる協定破棄などにより、同年9月までにワンマン運転は中止されました。

MTAによるL系統への発車標（Countdown clock）の導入は、同システムにおける最初の成功例となりました。

運行サービスの変化

2019年4月27日より、3番街駅～ベッドフォード・アベニュー駅間で深夜と週末の運行サービスが削減されました。これは、2012年のハリケーン・サンディによってイースト川を潜るトンネルが被災したため、その補修工事を行う必要が生じたためです。深夜と週末は、この区間において1本のトンネルを双方向で使用する単線運転が行われ、もう1本のトンネルで補修工事が進められています。この単線運転は、2020年までの15～20ヶ月間続く予定です。当初はベッドフォード・アベニュー駅以西のトンネルを15ヶ月間同時に閉鎖する計画でしたが、2019年1月に現在の計画に変更されました。

運行形態

L系統は、以下の駅を結んでいます。

8番街駅（マンハッタン区）
カナーシー-ロッカウェイ・パークウェイ駅（ブルックリン区）

その他

L系統は、ニューヨーク市民の足として重要な役割を果たしており、沿線地域の発展とともに、その重要性は増しています。近代化工事や災害復旧など、様々な歴史を経て現在に至っています。

外部リンク

MTA NYC トランジット - L系統（14丁目/カナーシー線各駅停車）
MTA NYC トランジット - L系統の時間帯 (PDF)

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