ヌラ川

ヌラ川について

ヌラ川（ヌラがわ）は、カザフスタン北西部を流れる重要な河川で、その全長は978キロメートルに達します。この川は、流域面積が60,800平方キロメートルに及び、地域の水資源としても大きな役割を果たしています。

流路の特徴

ヌラ川の水源は、カザフ高原のキジルタス山脈に位置しています。川はまず北北西へ約100キロメートル流れ、その後西へと方向を変え、220キロメートルの道のりを進みます。その後は南西に向かって180キロメートル流れ、エセンゲルディの近くで北へ向きを変え、再び約200キロメートル進み、ヌルスルタン付近でエルティシ川の近くを横切ります。

さらに川はショラクシャルカー湖やコルガルジン湖を経由しながら南西へ480キロメートル流れ、最終的にはテンギス湖に流れ込む内陸流域を形成します。ヌラ川の支流には、シェルバイヌラ川、ウルケン・クンディジ川、アクバスタウ川といった河川があります。この川は、灌漑や上水道の水源として広く利用されており、地元住民にとって重要な水源です。河口における平均流量は、28.39立方メートル毎秒となっています。

特に興味深いのは、イルティシュ・カラガンダ運河がヌラ川と交差しており、川の下をトンネル状の形で通過していることです。この運河の水の一部は、流量を増す手助けとなり、ヌラ川に供給されています。また、運河の下流にはダムによってサマルカンド貯水池が築かれ、これはテミルタウ市の貴重な水源となっています。

環境問題

1972年以降、テミルタウ市にあったアセトアルデヒド工場が、廃水に大量の水銀を含むものをヌラ川に放出し始めるという深刻な環境問題が発生しました。この工場は1997年に閉鎖されましたが、その時点でも川や周辺の土壌には水銀が残っており、特にテミルタウからイントゥマク貯水池にいたる25キロメートルの堆積土壌には、大量の水銀が蓄積されています。

汚染はさらに広がりを見せており、70キロメートル下流でも水銀が検出されています。特に増水期には、汚染物質が氾濫原全体に拡散し、大問題として扱われています。推定では、この地域の汚染土壌の量は1,500,000立方メートルに及ぶとされています。さらに、周辺に複数存在する石炭火力発電所から排出される灰も、ヌラ川の汚染を悪化させている要因の一つです。

まとめ

ヌラ川はカザフスタンの重要な水資源である一方で、深刻な環境問題も抱えています。地域の水質を改善し、持続可能な利用を実現するためには、早急な対策が求められています。

もう一度検索