ネグロス島地方

ネグロス島地方について

ネグロス島地方（Negros Island Region, NIR）は、フィリピンのビサヤ諸島に位置する地方です。ヒリガイノン語（イロンゴ語）では「Rehiyon sang Pulo sang Negros」、セブアノ語では「Rehiyon sa Pulo sa Negros」と表記されます。

概要

この地方は、西ネグロス州、東ネグロス州、シキホル州の3つの州から構成されており、2020年の国勢調査によると、人口は約476万人です。地方番号は18番で、フィリピン国内で最も新しい地方の一つです。2015年に初めて設置されましたが、2017年に一時廃止され、2024年に復活しました。

歴史

第一次ネグロス島地方（2015年 - 2017年）

ネグロス島地方は、2015年5月29日にベニグノ・アキノ3世大統領の大統領令183号によって初めて創設されました。ネグロス島全体を領域とし、それまで西ビサヤ地方に属していた西ネグロス州と、中部ビサヤ地方に属していた東ネグロス州が編入されました。当初、首府は両州の州都であるバコロド市とドゥマゲテ市が一時的に共同で務め、3年後には恒久的な首都を決定する予定でした。

しかし、アキノ大統領の後任であるロドリゴ・ドゥテルテ大統領が予算上の問題を理由に地方の存続を議論し、2016年10月3日に廃止を決定しました。この決定に対し、住民からの反発がありましたが、2017年の予算案から外され、2017年8月7日にドゥテルテ大統領が地方廃止を定める大統領令38号に署名しました。これにより、8月9日にネグロス島地方は消滅し、東西ネグロス州は元の地方に復帰しました。

第二次ネグロス島地方（2024年 - ）

2020年以降、ネグロス島地方の再建に関する議論が始まり、2022年にはネグロス島地方の創設を求める法案が提出されました。翌年には、文化的にネグロス島に近いとされるシキホル島を加えた同様の法案が提出され、3月6日に下院で承認されました。2024年3月12日には、上院が「ネグロス島地方法」を承認し、6月13日にボンボン・マルコス大統領が法案に署名したことで、ネグロス島地方が復活しました。

しかし、地方の予算や立法府としての役割を担う地方開発評議会の準備のため、行政地方として機能するのは2025年以降になる見込みです。また、シキホル島の名前が地方名に含まれていないことから、シキホル州のサンフアン市長は、ネグロス島＝シキホル地方（Negros Island-Siquijor Administrative Region (NISAR)）への改名を提案しています。

下位行政区画

2024年以降、ネグロス島地方は3つの州と1つの高度都市化市（バコロド市）で構成されています。以前は、西ネグロス州が西ビサヤ地方に、東ネグロス州とシキホル州が中部ビサヤ地方に属していました。

西ネグロス州（Province of Negros Occidental）
バコロド市（City of Bacolod）
東ネグロス州（Province of Negros Oriental）
シキホル州（Province of Siquijor）

関連項目

* フィリピンの地方

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