ネジキ

ネジキ（捻木・捩木）

ネジキ（学名: Lyonia ovalifolia var. elliptica）は、ツツジ科ネジキ属に分類される落葉性の低木または小高木です。別名としてカシオミノ、カシオシミとも呼ばれています。有毒[[植物]]としても知られており、注意が必要です。

名称の由来

和名の由来は、その特徴的な幹のねじれや、樹皮の縦の裂け目がねじれて見えることに由来します。また、冬芽や枝が赤く美しいことから、アカメや「塗り箸」という別名でも親しまれています。

分布と生育環境

ネジキは、本州（岩手県以西）、四国、九州の低山から山地にかけて広く分布しています。特に、山地の尾根など日当たりの良い場所や、森林にギャップが生じた場所に多く見られます。西日本の酸性土壌の地域では、比較的多く生育しているのが特徴です。

形態の特徴

ネジキは、落葉広葉樹の低木または小高木で、高さは5〜9メートルに達します。幹は直立し、薄い褐色の樹皮に覆われ、縦に裂け目がらせん状にねじれているのが特徴です。樹皮は薄く細長い状態で剥がれます。新しい枝は赤みを帯びて光沢があり、日陰の枝は緑色のこともあります。葉が付く枝は水平に伸び、互い違いに生える葉は左右に広がる傾向があります。

葉は黄緑色で薄く、やや硬い質感です。卵形または長卵形で、先端は少し尖っています。縁には鋸歯がなく、全縁です。葉には有毒成分が含まれており、裏面の付け根付近には白い毛が生えています。秋になると紅[[葉]]し、濃い橙色から赤色に染まりますが、色が濁りやすい傾向があります。

花期は6月で、前年の枝から横に総状花序を伸ばし、その軸はほぼ水平に伸びます。花序には等間隔に下向きに白い壺形の花が多数咲きます。果実は上向きにつきます。

冬芽は赤色で、ほぼ無毛の卵形をしており、2枚の芽鱗に包まれています。葉痕は半円形で、維管束痕が1つあります。

利用

ネジキは、庭園樹として栽培されることがあります。また、木材は細工物に利用され、ネジキの炭は漆器を磨くのに使われます。冬の赤い小枝は美しく、冬の花材としても重宝されています。

有毒性

ネジキは、アセビなどの近縁種と同様に有毒[[植物]]であり、グラヤノトキシンI〜IIIなどのテルペノイドを含んでいます。かつて中国地方で牛や馬の「霧酔病」という原因不明の病気が流行した際、ネジキを摂取したことによる中毒であるという説が発表されましたが、後にこの説は否定されています。

脚注

参考文献

鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽：四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、80頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
林将之『紅[[葉]]ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4-8299-0187-8。
* 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、224頁。ISBN 4-522-21557-6。

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