ネッカー (小惑星)

ネッカー (1223 Neckar) の詳細

ネッカーは、小惑星帯の外縁部に位置する、岩石質の小惑星です。コロニス族に属しており、その直径は約25kmとされています。1931年にドイツの天文学者カール・ラインムートによって発見され、ドイツを流れるネッカー川にちなんで命名されました。

発見

ネッカーは、1931年10月6日にカール・ラインムートが、ドイツ南西部のケーニッヒシュトゥール天文台で発見しました。その5日後には、ベルギーのフェルナン・リゴーも独立して発見しましたが、公式な発見者としてはラインムートが認められました。また、この小惑星は1907年にはすでにA907 VDとして観測されており、観測期間は公式な発見よりも24年延長されています。

軌道と分類

ネッカーは、太陽から約2.7～3.0天文単位の軌道を、約4年10ヶ月（1775日）かけて公転しています。軌道離心率は0.06、軌道傾斜角は黄道面に対して3°です。コロニス族に属しており、これは少なくとも20億年前に、大きな天体同士が衝突して形成されたと考えられています。コロニス族は、小惑星帯外縁部に位置する大きな小惑星群です。

物理的性質

ネッカーは、S型小惑星に分類されます。これは、ケイ酸塩を主成分とする岩石質の小惑星であることを意味します。パンスターズによる観測でもS型と分類されています。

自転周期

光学的な観測から、ネッカーの自転周期は、約7.763時間と7.81時間とされています。光度変化の幅は、それぞれ0.18等級と0.45等級です。過去の観測では、より長い周期が示唆されていましたが、現在では誤りであると考えられています。2010年と2014年の観測では、7.80時間と7.8273時間の自転周期が確認されています。また、ポーランドの天文学者グループによる研究では、黄道座標上の2つの極が(70.0°, 45.0°)と(225.0°, 42.0°)であるとされています。

直径とアルベド

日本の赤外線天文衛星「あかり」と、広域赤外線探査衛星「NEOWISE」による観測では、ネッカーの直径はそれぞれ22.783kmと26.07km、表面のアルベド（反射率）は0.146と0.201と測定されています。一方、Collaborative Asteroid Lightcurve Linkは、モリソンが1970年代に得たアルベド0.123を採用し、絶対等級10.66から直径を27.96kmとしています。

命名

ネッカーは、ドイツ南西部を流れるネッカー川にちなんで命名されました。この川はシュヴァルツヴァルトを源流とし、ライン川に合流します。特に、発見地であるハイデルベルクを流れる川としても知られています。この名前は、1955年にポール・ハーゲットの著書「The Names of the Minor Planets」で初めて公表されました。

出典

Asteroid Lightcurve Database (LCDB), query form (info Archived 16 December 2017 at the Wayback Machine.)
Dictionary of Minor Planet Names, Google books
Asteroids and comets rotation curves, CdR ? Observatoire de Geneve, Raoul Behrend
Discovery Circumstances: Numbered Minor Planets (1)-(5000) - Minor Planet Center
* ネッカー - JPL Small-Body Database



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